アコースティック・アルケミー
アコースティック・アルケミー（Acoustic Alchemy）は、1980年代初頭にイギリスで結成されたアコースティック・ギター・デュオで、現在はバンドとして活動しています。
オリジナル・メンバーは、スティール弦ギター担当のニック・ウェブとナイロン弦ギター担当のサイモン・ジェイムスでした。彼らは自主制作でアルバムを1枚発表した後、サイモンがソロ活動に専念するため脱退。ニック・ウェブは、新たにグレッグ・カーマイケルをメンバーに迎えました。この編成で、ウェブがスティール弦ギターでバッキングを、カーマイケルがナイロン弦ギターでメロディを奏でるというスタイルが確立しました。
ヴァージン・アトランティック航空の機内ライブがきっかけとなり、MCAレコードとの契約を獲得。1987年には、アメリカでデビュー・アルバム『レッド・ダスト&スパニッシュ・レース』をリリースし、ラジオを中心にヒットを記録しました。その後、MCAでは『ナチュラル・エレメンツ』 (1988年)、『ブルー・チップ』 (1989年)とアルバムを発表しました。
1990年にMCAがジャズ・レーベルのGRPを買収したことに伴い、アコースティック・アルケミーはGRPに移籍。GRPからの最初のリリースは、同年発表された4枚目のアルバム『リファレンス・ポイント』でした。このアルバムは、グラミー賞にノミネートされ、ジャズ・スタンダード「テイク・ファイヴ」を独自のアレンジで収録し、話題を呼びました。その後、MCA時代のアルバムもGRPから再発されました。
1991年には『バック・オン・ザ・ケース』を発表。1992年には、サイモン・ジェイムスとの初期の作品を収録した『アーリー・アルケミー』をリリースしました。その後、『ザ・ニュー・エッジ』 (1993年)、『アゲインスト・ザ・グレイン』 (1994年)とアルバムをリリースし、1996年にはセルフ・カバーアルバム『アーケイナム』を発表。このアルバムは、ロンドンのパインウッド・スタジオで録音されました。
ほぼ1年に1枚のペースでアルバムを発表していましたが、1998年2月5日にニック・ウェブが膵臓癌のため43歳の若さで急逝。同年発表された『ポジティヴ・シンキング』が彼の遺作となりましたが、治療中であったためレコーディングには参加できず、作曲などの演奏以外の面で参加しました。このアルバムには、ジョン・パーソンズとマイルズ・ギルダーデイルがギタリストとして参加しており、全曲でウェブの名前がクレジットされています。
2000年には、レーベルをハイアー・オクターヴ（現在はEMI傘下）に移籍。前作に参加したジョン・パーソンズとマイルズ・ギルダーデイルを迎え、バンド形態に移行し、『The Beautiful Game』を発表しました。このアルバムでは、従来の音楽性を残しつつも、コンテンポラリー・ジャズ（フュージョン）の要素を強め、新たな音楽性の開拓を試みました。ジョン・パーソンズが脱退後、2001年発表の『AArt』では、マイルズ・ギルダーデイルが正式メンバーとして参加。このアルバムはグラミー賞にノミネートされました。2003年発表の『Radio Contact』では、チャック・ローブをプロデューサーに迎え、自身もギターで数曲参加。収録曲「Little Laughter」では、女性歌手をフィーチャーし、初のフル・ボーカル曲を収録しました。2005年には『American/English』を発表し、従来の音楽性を維持しながらも、新たな手法で音楽性の幅を広げました。
2007年には、ナラダ・ジャズから『This Way』を発表。リック・ブラウン、ジェフ・カシワ、ダウン・トゥ・ザ・ボーンのニール・カウリーなどがゲストとして参加しました。
2011年には、レーベルをヘッズ・アップに移し、『Roseland』をリリースしました。
『レッド・ダスト&スパニッシュ・レース』 - Red Dust and Spanish Lace (1987年、MCA/GRP)
『ナチュラル・エレメンツ』 - Natural Elements (1988年、MCA/GRP)
『ブルー・チップ』 - Blue Chip (1989年、MCA/GRP)
『リファレンス・ポイント』 - Reference Point (1990年、GRP)
『バック・オン・ザ・ケース』 - Back on the Case (1991年、GRP)
『アーリー・アルケミー』 - Early Alchemy (1992年、GRP)
『ザ・ニュー・エッジ』 - The New Edge (1993年、GRP)
『アゲインスト・ザ・グレイン』 - Against the Grain (1994年、GRP)
『アーケイナム』 - Arcanum (1996年、GRP)
『ポジティヴ・シンキング』 - Positive Thinking... (1998年、GRP)
The Beautiful Game (2000年、Higher Octave)
AArt (2001年、Higher Octave)
『ヴェリー・ベスト・オブ・アコースティック・アルケミー』 - The Very Best of Acoustic Alchemy (2002年、GRP)
Sounds of St. Lucia (2003年、Image Entertainment)
Radio Contact (2003年、Higher Octave)
American/English (2005年、Higher Octave)
This Way (2007年、Narada Jazz)
Roseland (2011年、Heads Up)
Live in London (2014年、Onside Records)
33 1⁄3 (2018年、Onside Records)
公式ウェブサイト
GRPレーベル・アーティスト・ページ（アーカイヴ）
MySpace.com
アコースティック・アルケミー - Discogs
歴史
オリジナル・メンバーは、スティール弦ギター担当のニック・ウェブとナイロン弦ギター担当のサイモン・ジェイムスでした。彼らは自主制作でアルバムを1枚発表した後、サイモンがソロ活動に専念するため脱退。ニック・ウェブは、新たにグレッグ・カーマイケルをメンバーに迎えました。この編成で、ウェブがスティール弦ギターでバッキングを、カーマイケルがナイロン弦ギターでメロディを奏でるというスタイルが確立しました。
ヴァージン・アトランティック航空の機内ライブがきっかけとなり、MCAレコードとの契約を獲得。1987年には、アメリカでデビュー・アルバム『レッド・ダスト&スパニッシュ・レース』をリリースし、ラジオを中心にヒットを記録しました。その後、MCAでは『ナチュラル・エレメンツ』 (1988年)、『ブルー・チップ』 (1989年)とアルバムを発表しました。
1990年にMCAがジャズ・レーベルのGRPを買収したことに伴い、アコースティック・アルケミーはGRPに移籍。GRPからの最初のリリースは、同年発表された4枚目のアルバム『リファレンス・ポイント』でした。このアルバムは、グラミー賞にノミネートされ、ジャズ・スタンダード「テイク・ファイヴ」を独自のアレンジで収録し、話題を呼びました。その後、MCA時代のアルバムもGRPから再発されました。
1991年には『バック・オン・ザ・ケース』を発表。1992年には、サイモン・ジェイムスとの初期の作品を収録した『アーリー・アルケミー』をリリースしました。その後、『ザ・ニュー・エッジ』 (1993年)、『アゲインスト・ザ・グレイン』 (1994年)とアルバムをリリースし、1996年にはセルフ・カバーアルバム『アーケイナム』を発表。このアルバムは、ロンドンのパインウッド・スタジオで録音されました。
ほぼ1年に1枚のペースでアルバムを発表していましたが、1998年2月5日にニック・ウェブが膵臓癌のため43歳の若さで急逝。同年発表された『ポジティヴ・シンキング』が彼の遺作となりましたが、治療中であったためレコーディングには参加できず、作曲などの演奏以外の面で参加しました。このアルバムには、ジョン・パーソンズとマイルズ・ギルダーデイルがギタリストとして参加しており、全曲でウェブの名前がクレジットされています。
2000年には、レーベルをハイアー・オクターヴ（現在はEMI傘下）に移籍。前作に参加したジョン・パーソンズとマイルズ・ギルダーデイルを迎え、バンド形態に移行し、『The Beautiful Game』を発表しました。このアルバムでは、従来の音楽性を残しつつも、コンテンポラリー・ジャズ（フュージョン）の要素を強め、新たな音楽性の開拓を試みました。ジョン・パーソンズが脱退後、2001年発表の『AArt』では、マイルズ・ギルダーデイルが正式メンバーとして参加。このアルバムはグラミー賞にノミネートされました。2003年発表の『Radio Contact』では、チャック・ローブをプロデューサーに迎え、自身もギターで数曲参加。収録曲「Little Laughter」では、女性歌手をフィーチャーし、初のフル・ボーカル曲を収録しました。2005年には『American/English』を発表し、従来の音楽性を維持しながらも、新たな手法で音楽性の幅を広げました。
2007年には、ナラダ・ジャズから『This Way』を発表。リック・ブラウン、ジェフ・カシワ、ダウン・トゥ・ザ・ボーンのニール・カウリーなどがゲストとして参加しました。
2011年には、レーベルをヘッズ・アップに移し、『Roseland』をリリースしました。
ディスコグラフィ
『レッド・ダスト&スパニッシュ・レース』 - Red Dust and Spanish Lace (1987年、MCA/GRP)
『ナチュラル・エレメンツ』 - Natural Elements (1988年、MCA/GRP)
『ブルー・チップ』 - Blue Chip (1989年、MCA/GRP)
『リファレンス・ポイント』 - Reference Point (1990年、GRP)
『バック・オン・ザ・ケース』 - Back on the Case (1991年、GRP)
『アーリー・アルケミー』 - Early Alchemy (1992年、GRP)
『ザ・ニュー・エッジ』 - The New Edge (1993年、GRP)
『アゲインスト・ザ・グレイン』 - Against the Grain (1994年、GRP)
『アーケイナム』 - Arcanum (1996年、GRP)
『ポジティヴ・シンキング』 - Positive Thinking... (1998年、GRP)
The Beautiful Game (2000年、Higher Octave)
AArt (2001年、Higher Octave)
『ヴェリー・ベスト・オブ・アコースティック・アルケミー』 - The Very Best of Acoustic Alchemy (2002年、GRP)
Sounds of St. Lucia (2003年、Image Entertainment)
Radio Contact (2003年、Higher Octave)
American/English (2005年、Higher Octave)
This Way (2007年、Narada Jazz)
Roseland (2011年、Heads Up)
Live in London (2014年、Onside Records)
33 1⁄3 (2018年、Onside Records)
外部リンク
公式ウェブサイト
GRPレーベル・アーティスト・ページ（アーカイヴ）
MySpace.com
アコースティック・アルケミー - Discogs
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