アサ (ユダ王)

アサ王の生涯

基本情報

アサ（ヘブライ語：אָסָא Asa）はユダ王国の第3代の王であり、前任の王アビヤムの息子です。彼の名前の意味は「与える」とされており、彼自身の治世も与えられた宿命と重なる部分があるかもしれません。

宗教改革

アサ王の治世が始まると、彼はまず神殿内の汚れた状況を改善しようと決意します。神殿男娼の追放や異教の神々の破壊といった強力な手段で、神殿礼拝を浄化するための宗教改革を実施しました。治世が始まってから15年目には、預言者アザルヤの支援を受けつつ、ユダ王国全土にわたって宗教改革を推進し、これにより20年間の平和と繁栄を享受することができました。

戦争

治世の10年目、アサはエチオピアの軍勢ゼラの攻撃を受けることになります。アサ王の軍隊は、ユダから30万人、ベニヤミンから28万人、合計58万人の兵士を擁していましたが、敵は100万人の兵士と300両の戦車という圧倒的な軍勢でした。劣勢の状況に直面したアサは、真剣にヤハウェに助けを求め、その祈りは通じました。結果、敵軍は撃退され、さらに追撃を行い敵を壊滅に追い込むことに成功します。

治世の36年目、北イスラエル王国のバシャと同盟関係にあるアラムの王ベン・ハダデに対して、アサは神殿や王宮にあった金銀を贈り援軍を依頼します。この外交的手法を用いた結果、北イスラエル軍を撃退しましたが、預言者ハナニからは神の力を頼るべきであると叱責されました。アサはこの叱責に逆恨みし、ハナニを投獄してしまいます。

最期

アサ王の治世もやがて終わりを迎えます。治世の39年目、彼は病気にかかり、両足の具合が悪くなりますが、神ではなく医者に頼ることを選びます。この選択は、アサ王にとって悲劇的なものとなるでしょう。結局、彼は治世41年目に亡くなり、自身が手がけた墓に埋葬されました。

在位年

彼の在位年については、紀元前913年から紀元前873年までという説がウィリアム・オルブライトにより提唱されています。また、エドウィン・ティーレの説では紀元前911年から紀元前870年までとされています。これにより、アサ王の治世がいつであったのかについては複数の考え方が存在します。

参考文献

「新聖書辞典」、いのちのことば社、1985年

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