ユダ王国

ユダ王国について

ユダ王国（ヘブライ語：מַלְכוּת יְהוּדָה）は、紀元前10世紀から紀元前6世紀にかけて、古代イスラエルの南部に存在した王国であり、その歴史はユダ族を中心に繰り広げられました。この王国は、元々存在していた統一イスラエル王国が北のイスラエル王国と南のユダ王国に分裂した結果誕生しました。ユダという名前は族長ヤコブの子に由来しており、歴史的には南王国と呼ばれることもあります。

設立と歴史的背景

ユダ王国は、ダビデ王による統一イスラエル王国の後、ソロモン王の死を契機に紀元前930年頃に誕生しました。南のユダ王国はユダ族とベニヤミン族から成り立っており、北のイスラエル王国は他の十支族から構成されていました。当初、ユダ王国は北イスラエル王国を制圧して再び全土を統一しようという強い意気込みを持っていました。そのため、分裂後の初の60年間は南北王国間での度重なる戦闘が続きました。

その後、両国は和解し、共通の敵であるダマスカスに対して連携を強めるようになりました。紀元前8世紀の中ごろには、両王国とも力を蓄え、ソロモンの最盛期に匹敵するほどの領土を獲得しました。

外敵の侵攻と影響

しかし、アッシリア帝国が力を増すと、紀元前722年には北のイスラエル王国がアッシリアのシャルマネセル5世によって滅ぼされました。その後、ユダ王国もアッシリアの属国となり、その支持を受けながら存続しました。紀元前609年にはメギドの戦闘でエジプトに敗北し、エジプトの支配下に入ることとなりました。

さらに、紀元前605年にはカルケミシュの戦いでエジプトが新バビロニアのネブカドネザル2世に敗北し、その後すぐにユダ王国も屈服しました。特に紀元前597年にはエルサレムが包囲され、最終的には紀元前586年にエルサレムと神殿が破壊され、ユダの指導者や貴族たちはバビロニアに連行されることになりました。この出来事がいわゆる「バビロン捕囚」と呼ばれるもので、ユダ王国の歴史を大きく変える要因となりました。

歴代統治者とその治世

ユダ王国の歴代の王は以下の通りです。特にレハブアムからゼデキヤまで、各王の治世や出来事が、その後のユダ王国の運命を左右しました。

• - 922年 - 915年　レハブアム
• - 915年 - 913年　アビヤム
• - 913年 - 873年　アサ
• - 873年 - 849年　ヨシャファト
• - 849年 - 842年　ヨラム（暗殺）
• - 842年　アハズヤ（暗殺）
• - 842年 - 837年　アタルヤ（女性王、暗殺）
• - 837年 - 800年　ヨアシュ（暗殺）
• - 800年 - 783年　アマツヤ（暗殺）
• - 783年 - 742年　ウジヤ
• - 742年 - 735年　ヨタム
• - 735年 - 715年　アハズ（アッシリアに臣従）
• - 715年 - 687年　ヒゼキヤ（アッシリア王センナケリブの活躍）
• - 687年 - 642年　マナセ
• - 642年 - 640年　アモン（暗殺）
• - 640年 - 609年　ヨシヤ（改革）
• - 609年 - 598年　エホヤキム
• - 598年 - 587年　ゼデキヤ（暗殺後、バビロニアへ連行）

その後のユダヤ民族

ユダ王国の滅亡以降、ユダヤ民族は約2400年間も独立国家を持つことはできませんでした。この期間は多くの異なる支配者が地域を治めており、新バビロニア、アケメネス朝、プトレマイオス朝、セレウコス朝、ハスモン朝と続きました。最終的に1948年にイスラエル国が成立し、ユダヤ民族は再びその独立を取り戻すこととなります。

以上がユダ王国の概要とその歴史的経緯です。ユダ王国は、古代イスラエルの重要な一部であり、その影響は現代にも及んでいます。

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