アビヤム

アビヤムについて

アビヤムは、ユダ王国の第2代の王として知られています。彼の名は『列王記』ではアビヤムとして、また『歴代誌』ではアビヤという名前で呼ばれています。その出自は、彼の父レハブアムに由来しますが、母親に関する情報は文献によって異なり、混乱が見られます。『列王記上』では、彼の母はアビシャロムの娘マアカであるとされていますが、『歴代誌下』ではウリエルの娘ミカヤとされています。

アビヤムは紀元前913年に即位し、紀元前910年までエルサレムで王としての生活を送りました。彼の治世の中で、同時代の北イスラエルの王、ヤロブアムとの間には不断の戦争がありました。アビヤムに関する評価は、列王記と歴代誌で大きく分かれています。

『列王記』の記録によると、アビヤムは父レハブアムの犯した過ちを繰り返し、忠実ではない王として描かれています。その一方で、彼は父ダビデの名誉のために国を滅亡させることは免れ、ダビデの町に葬られました。彼の息子アサがその後王位を継承しました。

反対に、『歴代誌』の記述ではアビヤムは主に忠実であったとされています。この記録によれば、アビヤムは北イスラエルの王ヤロブアムに対し、金の子牛を造って離反したことや、レヴィ人を追放したことを大きく批判しました。彼はユダ軍の指導者として、戦闘の直前にこのような主張を展開し、圧倒的な人数差で劣勢に立たされている状況で戦いを挑みました。

その結果、神がアビヤムに味方し、北イスラエル軍はアビヤムとユダ軍の前で打たれました。この勝利により、アビヤムは北イスラエルの多くの都市、具体的にはベテル、エシャナ、エフロンの3都市を制圧しました。一方、ヤロブアムはその後も勢力を回復することができないまま死亡し、アビヤムは自らの治世の中で14人の妻を持ち、22人の息子と16人の娘を授かるなど、繁栄したとされています。

このように、アビヤムという王は、不明瞭な背景や評価の相違があるものの、彼の治世はユダ王国における重要な歴史的瞬間を形成しました。アビヤムは、政争の戦乱や内部抗争の中での彼の選択や行動により、後のユダ王国の歴史に影響を与えた王であると言えるでしょう。

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