アサグ

アサグは、古代メソポタミア、特にシュメール神話に登場する悪魔であり、「病気を引き起こす悪魔」という意味を持つとされています。最も有名なのは、叙事詩『ルガル・エ』における記述です。

『ルガル・エ』におけるアサグ

『ルガル・エ』において、アサグは恐るべき存在として描かれています。彼は岩石でできた兵士を率いて人間を襲い、大地を荒廃させました。その姿は巨大で丸く、3本の足と3本の腕を持ち、首がなく、全身に多数の目が散りばめられているという異様なものです。また、その肌は岩のように硬く、傷つけることができません。

アサグの軍勢は強大でしたが、最終的には英雄神ニヌルタによって打ち破られます。ニヌルタは、アサグとの激しい戦いの末、彼の強固な鎧を打ち砕き、滅ぼしました。この戦いは、秩序が混沌に打ち勝つという神話的なテーマを象徴するものとして解釈されています。

アサグの図像と関連する怪物

アサグの具体的な図像は必ずしも明確ではありませんが、いくつかの古代メソポタミアの怪物図像がアサグではないかと考えられています。しかし、これらの図像が確実にアサグを描いたものであるという確証はありません。アサグは、その恐ろしい性質から、様々な怪物のイメージと結びつけられていた可能性があります。

アッカド語における表記

アサグは、アッカド語ではアサック（Asakku）と呼ばれていました。アッカド語は、古代メソポタミアで広く用いられた言語であり、シュメール語の文化や神話を受け継ぎました。アサックという名前も、アサグと同様に、病気や災厄をもたらす悪魔として恐れられていたことを示唆しています。

外部リンク

https://web.archive.org/web/20070621175821/http://www.btinternet.com/~alan.catherine/wargames/asag.htm
https://web.archive.org/web/20060427110440/http://demons.mattdinniman.com/

アサグは、古代メソポタミアの人々にとって、病気や災厄の象徴であり、恐るべき存在でした。しかし、英雄神ニヌルタによって打ち倒されたという神話は、希望と救済のメッセージを伝えています。秩序が混沌に打ち勝つというテーマは、現代においても私たちに勇気を与えてくれるでしょう。

もう一度検索