アサバスカ氷河

アサバスカ氷河について

アサバスカ氷河（Athabasca Glacier）は、カナディアンロッキーにあるコロンビア氷原から流れる氷河の一つで、北アメリカ大陸の北西部に位置しています。この氷河はその美しい景観から観光名所として知られており、多くの訪問者が足を運びます。しかし、残念ながら近年、その規模は急速に縮小しており、環境的な問題が浮き彫りになっています。

概要

アサバスカ氷河は、コロンビア氷原から流れ出す主要な6つの氷河の一つであり、他にはキャッスルガード氷河、コロンビア氷河、ドーム氷河、スタッドフィールド氷河、サスカチュワン氷河があります。これらの氷河は「コロンビア氷原の足の指」と形容されることがあります。特にアサバスカ氷河は、年間2メートルから3メートルのペースで後退し続け、過去125年間に1500メートル以上も縮小してきました。この結果、光で見ると、その氷の体積は半分以上失われた状態です。

観光客が訪れる際、2012年の時点でアサバスカ氷河の全長は約6キロメートル、面積は約6平方キロメートル、氷の厚さは場所によって90メートルから300メートルに及ぶとされています。氷河の流速は日々数センチメートルで、最終的にはアサバスカ川として流れ出ています。

交通と観光

アサバスカ氷河はアイスフィールド高速道路に非常に近接しており、訪問者が簡単に近づくことができます。この高速道路から氷河の末端までは、十分に歩いて行ける距離であることから、多くの観光客がこの地域を訪れています。しかしながら、氷河の上に登る場合は、適切な装備が必要であり、そのまま行動することは危険です。実際、過去には装備が不十分な観光客が落下してけがを負ったり、最悪の場合、死亡する事故も発生しています。

2007年には、氷河の近くにThe Icefield Interpretive Centreという山小屋が設立され、夏季（通常4月中旬から10月中旬まで）に開放されています。ここでは、氷河を訪れるためのチケットを購入でき、専用の雪上車で氷河の上に登る観光ツアーが提供されています。ツアーに参加する場合、通常は専用バスで氷河の近くまで送られ、そこで雪上車に乗り換えて氷河にアプローチします。

このように、アサバスカ氷河は北米を代表する自然の美しさを楽しめる場所であると同時に、環境変化の影響を如実に示す存在でもあります。訪問者は、魅力的な風景を楽しむ一方で、氷河の変化についても考える機会となるでしょう。

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