アシェル族

アシェル族の概要

アシェル族（アシェルぞく）は、古代イスラエルの12部族の一つで、北イスラエル王国に属していました。彼らの祖先はヤコブの子アシェルであり、彼はジルパとの間に生まれました。この部族は新約聖書では「アスェル」として言及されています。アシェル族は、特定の地域において重要な役割を果たしました。

歴史的背景

アシェル族は、イムナ族、イシュビ族、ベリア族、ヘベル族、マルキエル族の5つの部族からなる集合体でした。彼らの相続地は、ガリラヤの山地の西斜面から地中海へと伸びており、カルメル山頂から北に位置するツロやシドン近くの平地を含んでいました。南はマナセ族と接し、東側にはゼブルン族とナフタリ族がいるという地理的な関係にありました。

このアシェル族は、彼らの相続地からゲルショム族のレビ人に対し、4つの町とその放牧地を提供していました。アシェル族は地中海沿岸に広がる都市の多くからカナン人を排除することには成功しませんでしたが、士師時代にはデボラを支援せず、しかしギデオンの軍勢には参加しました。ダビデ王の時代には、その軍に兵士を派遣し、ソロモン王の治世には12の行政区の一つとして組織されました。

王国の分裂とその後

古代イスラエル王国が分裂した際、アシェル族は北イスラエル王国に所属することとなります。その後、北イスラエル王国が滅亡した後、南ユダ王国のヒゼキヤ王の治世においては、エルサレム神殿で行われる過越祭にアシェル族の代表者が参加する様子が記録されています。

新約時代においても、アシェル族は重要な存在として残っており、幼子イエスに出会った女性預言者アンナはこの族の出身であるとされています。このようにアシェル族はその歴史を通じて、イスラエルの宗教的・社会的な文脈において一定の影響力を持っていました。

終末における位置づけ

さらに、民数記や黙示録7章において、アシェル族は終末に救われるイスラエルの部族として言及されています。これにより、彼らの存在は歴史的な枠を超えて、宗教的な意義を持つ存在として現代にまで続いています。

参考文献

• - 『新聖書辞典』いのちのことば社、1985年

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