アジアの片隅で

アジアの片隅で

吉田拓郎が1980年11月5日にリリースしたアルバム『アジアの片隅で』は、彼の11枚目のスタジオアルバムです。この作品はフォーライフレコードから発表され、アーティストの音楽的な転換点を象徴するものとなりました。

制作背景

制作にあたっては、岡本おさみが主に作詞を担当し、青山徹が編曲を手がけました。その結果、前作『Shangri-La』から一変して、より強いメッセージ性を持った硬派な印象のアルバムに仕上がっています。このアルバム以降、吉田拓郎と岡本おさみのコンビによる楽曲の発表は、1996年の『感度良好 波高し』まで途絶えました。

収録曲

アルバムに収録されている楽曲は、基本的に全て歌詞が岡本おさみによって書かれ、作曲が吉田拓郎、編曲が青山徹により構成されています。

A面の収録曲

• - まるで孤児のように
• - いつも見ていたヒロシマ
• - 古いメロディー

この曲は1979年末に「古い歌はもう歌わない」との宣言を行った拓郎が、その後に歌詞を通して前言を翻す様子が描かれています。アルバム発売前後のツアーでは、過去の楽曲が再び演奏される機会が増えました。

• - アジアの片隅で

1980年に日本武道館で行われたライブの録音が収録されており、他のバージョンは存在しません。この楽曲は12分を超える大作として、拓郎の作品の中でも特に重厚なものとして知られています。ニューミュージックに対する批判を込めた重いリズムとともに、社会的なメッセージを力強く発信しています。この楽曲は1987年に音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』でTHE ALFEE|THE_ALFEEとともに披露され、話題となりました。

B面の収録曲

• - 二十才のワルツ

この曲は翌年リリースされたシングル「サマーピープル」のB面としても発売されました。

• - いくつもの朝がまた
• - ひとつまえ
• - 元気です

1980年のTBS系ポーラテレビ小説『元気です!』の主題歌として知られています。この曲は吉田拓郎自身の作詞による作品で、多くのファンに愛されました。

• - この歌をある人に

作詞は松本隆が手がけており、異なるアプローチが試みられています。

参加ミュージシャン

このアルバムには多くの才能あるミュージシャンが参加しています。様々な楽器やアレンジが施され、作品全体に深みを与えています。

『アジアの片隅で』は、吉田拓郎の音楽の幅と深さを示す重要なアルバムといえるでしょう。彼の音楽に込めた思いは、聴く者に強い印象を与え続けています。

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