アジア経済研究所図書館

アジア経済研究所図書館の概要

アジア経済研究所図書館（以下、アジ研図書館）は、アジア経済研究所に併設された専門的な図書館です。この図書館の主な目的は、アジアや途上国に関する研究資料を収集し、それを広く公開することです。地域研究や途上国の開発に関する資料を中心に扱っており、その情報は学術的な研究にとって非常に貴重です。

利用方法

アジ研図書館は特別な利用資格がなく、誰でも来館が可能です。一部の貴重書は閉架となっていますが、大半の蔵書や新聞、雑誌は開架されており、自由に閲覧することができます。開館日は基本的に平日ですが、月末は整理日が設けられており、その日は閉館となります。

入館手続きが必要ですが、リピーターの方は利用者カードを作成することで手続を簡略化できます。ただし、貸出サービスは行っていませんので、資料をその場で閲覧する形式になっています。また、コピー機の使用に関しても、以前はスタッフに依頼する形式でしたが、利用者が自主的に使えるコピー機が設置されるようになりました。小学生以下の子どもが入館する場合は、保護者の同伴が必要です。

最寄りの交通機関はJR京葉線の海浜幕張駅で、他の路線からはバスでのアクセスが便利です。少し歩くと他の駅からも行けますので、周辺を訪れる際には交通手段が複数選べます。

収蔵資料

アジ研図書館の蔵書数は約31万冊で、その中には和書と外国語書が含まれています。主に途上国に関する資料を充実させており、日本の大学図書館と比べると一般書や理論書は少なめです。しかし、途上国の現地資料や日本の旧植民地に関する情報については、国内でも有数の蔵書があります。

外国語書籍の中には、中国語や朝鮮語の資料も豊富に含まれ、統計書や年間報告書も整備されています。特に中国の統計資料に関しては、1960年代以降の詳細な情報が手に入るため、研究者にとって非常に重宝されています。また、日本の旧植民地に関する資料も所蔵しており、歴史的な価値の高い資料が多くあります。

その他、アジアや途上国からの主要な日刊新聞や雑誌が取り揃えられ、随時新たな号が追加されています。これにより、最新の情報を常に収集することがが可能です。

電子サービス

アジ研図書館では、国際的な研究が進む中で、電子的な情報サービスにも力を入れています。Webブラウザを用いて運営されるOPAC（オンライン蔵書目録）を通じて資料の検索ができ、雑誌記事についても情報が量的に収集されています。これにより、特にアジアや途上国に関心がある研究者や学生にとっては、貴重な情報源となっています。

また、ARRIDE（機関リポジトリ）という形で、内部研究者が発表した論文や雑誌記事も収録されています。著作権の制約があるため、電子化には工夫が必要ですが、特定の条件を満たせば広範な資料が公開されています。

デジタルアーカイブスでは、特に貴重な資料がデジタルデータとして提供されており、研究則で容易にアクセスできるよう工夫されています。

他図書館との連携

アジ研図書館は、他の専門図書館や大学図書館との間で蔵書の相互貸し出しが行われています。これにより、大学生が所属する大学を通じて資料を借りることが可能となります。しかし、一般利用者は残念ながら直接の貸出はできず、研究会の参加者や職員に制限されています。

また、アジ研はジェトロと合併したため、ビジネスライブラリーとの連携も進められています。しかし、実質的な業務協力は限られており、アジ研の機能を维持するためには他の図書館との協力が重要になってきています。特に国立国会図書館関西館との連携は、貴重な文献の保存や共同研究において大変重要です。

このように、アジア経済研究所図書館はアジアや途上国に特化した資料を多様に収集し、公開している独自の図書館として、研究者や一般の利用者に貢献しています。

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