アステカ (プロレスラー)

アステカ（1970年7月16日 - ）は、日本の覆面レスラー。その名の通り、古代アステカ文明をモチーフとした独特なキャラクターで、プロレス界に足跡を残しています。

生い立ちとプロレスへの憧憬

長崎市立西北小学校出身のアステカは、初代タイガーマスクに憧れ、プロレスラーを志します。中学時代からスクワット、高校時代にはボディビルジムでウエイトリフティングに励み、体を鍛え上げました。高校卒業後、新日本プロレスへの入門を熱望し、事務所や試合会場へ何度も足を運びましたが、門前払いを繰り返されます。それでも諦めず、入門テストを受験するも、800人中20人に残ったものの、合格には至りませんでした（合格者は小島聡のみ）。

メキシコでの修行とデビュー

一旦は日雇い労働で資金を貯め、メキシコへ渡り、磁雷矢を頼って練習を開始しますが、厳しい練習についていけず、帰国を余儀なくされます。その後、運送会社の事務職に就きながら、磁雷矢に紹介されたシュートボクシングジムでトレーニングを継続。ヘルニア治療で帰国していた磁雷矢と練習を再開し、スパーリングパートナーを務めながらプロレスの指導を受けます。磁雷矢の再渡航後、再び資金を貯めてメキシコへ渡り、レイ・メンドーサに師事。ルチャリブレの基礎を徹底的に叩き込まれました。

1993年5月2日、磁雷矢とのタッグでデリート&アポカリプシス組を相手にデビュー。同年、日本に帰国し、様々なプロレス団体に参戦します。

プロレスリング華☆激の設立と独立

1995年、レッスル夢ファクトリーに入団。1997年4月には、小川聡志と共にプロレスリング華☆激を設立し、旗揚げ戦を開催。華☆激所属選手としてレッスル夢の試合に出場しつつ、自主興行も開催しました。2000年1月、レッスル夢から華☆激が独立。

苦難と復活、そして現在

2001年12月、華☆激は崩壊の危機を迎えますが、周囲の説得により存続を決意。この頃、大阪プロレスにも参戦しています。2004年8月22日には、地元福岡で凱旋チャリティー公演を開催。2016年7月21日、全日本プロレスの試合後、急性心筋梗塞で倒れますが、手術により一命を取り留めました。リハビリを経て、2017年11月12日に復帰。2018年7月14日には本格復帰を果たしました。

戦闘スタイルと得意技

アステカは、グラウンド技術に長け、メキシカンストレッチで相手を痛めつける場面が多く見られます。ストロングスタイルにルチャリブレの動きを融合させた「ストロングルチャ」を提唱し、ハードヒットも重視しています。得意技は、聖☆スプラッシュ、垂直落下式ブレーンバスター、アステカバスター、アステカボム、追い山落とし、バズソーキックなど多彩です。

マスク職人としての顔

アステカは、マスク職人としても知られています。自身のマスクやマントを手作りするだけでなく、コスモ☆ソルジャーのジャケットなども制作。獣神サンダー・ライガーのバトルライガー、テロリスト、C.T.Uのマスクや、スペル・シーサーのマスクなども手掛けています。近年は、ザ・デストロイヤーのマスク制作も担当しています。

アステカは、自身の理想とするプロレスを追求し、エンターテイメントに偏重したプロレスに疑問を抱き、格闘技・スポーツとしてのプロレスを志向しています。その姿勢は、ライガーにも評価され、「ハートで試合ができる仲」と評されています。波瀾万丈なプロレス人生を歩みながら、アステカは今日もリングで戦い続けています。

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