アストリア (重巡洋艦)

USS Astoria (CA-34)

アストリア（USS Astoria, CA-34）は、アメリカ海軍の重巡洋艦であり、ニューオーリンズ級重巡艦の2番艦です。この艦名はオレゴン州のアストリアに由来し、歴史的にはこの名を持つ艦船としては2隻目となります。本艦は、もともとネームシップになる予定でしたが、姉妹艦の「ニューオーリンズ」にその座を譲ることとなりました。

概要

アストリアは1934年4月末に就役しました。1939年の春には、アメリカで亡くなった斎藤博駐米大使の遺骨を日本に送る任務を果たし、当時の艦長リッチモンド・K・ターナー大佐がこの重要な任務を遂行しました。この艦は、太平洋戦争において重要な役割を担い、空母「レキシントン」や「ヨークタウン」と共に行動しました。

特に1942年3月にはラエ・サラモア空襲や珊瑚海海戦に参加。6月にはミッドウェー海戦に臨み、艦隊の指揮官としてフレッチャー提督が艦上に移乗するなど、戦局の中で用いられました。また、8月上旬にはガダルカナル島の防衛戦でも重要な任務を果たしました。

艦歴

大戦前の活動

アストリアはワシントン州ブレマートンの造船所で建造され、1931年に艦種変更されました。1933年に進水し、1934年に艦長エドマンド・S・ルート大佐の指揮のもと正式に就役。以降、アストリアは南太平洋での巡航を行い、オーストラリアやフィジーなどへの訪問を経て1934年の秋まで活動を続けました。ここでの任務は平時の任務が中心でしたが、この頃に大佐となるリッチモンド・K・ターナーが艦長として着任しました。

斎藤大使の遺骨礼送

1939年初頭、アストリアは日本大使館から依頼を受けて、斎藤博大使の遺骨を日本に運ぶ役割を担いました。艦長ターナーはこれを名誉な任務とし、同艦は3月18日にアナポリスを出港。パナマ運河を経て、ハワイに寄港し、最終的に横浜に到着。日本側からの温かい歓迎を受け、大使の葬儀にも参加しました。この際、ターナー艦長は日本海軍の高官とも会談を行い、日米関係の中での重要な役割を果たしました。

真珠湾攻撃から島嶼戦への参加

真珠湾攻撃の際、アストリアは空母「レキシントン」を旗艦とする任務部隊に加わっており、攻撃当日も同艦は出港中でした。以降、アストリアはナチスドイツの仮装巡洋艦に対する護衛任務を行い、さらには輸送船の護衛をしながら平穏な日々を送っていました。

太平洋戦争での任務

アストリアは太平洋戦争の初期段階で、様々な作戦に参加しました。特に猛烈な戦闘が繰り広げられる中、アストリアは第12任務部隊として日本軍に立ち向かい、ポートモレスビー攻略を阻止するために奮闘しました。2022年5月には珊瑚海海戦に参加し、日本の輸送船団に攻撃を行うなど、その戦果を挙げました。

沈没と最期

しかし、アストリアは1942年8月の第一次ソロモン海戦で重巡「アストリア」との交戦において、激しい攻撃を受けて沈没に至ります。最終的にアストリアの205名が戦死し、史上に名を刻むこととなりました。アストリアの艦長となったターナーは、艦隊の指揮官として多くの困難な選択を強いられたものの、彼の功績は今なお評価されています。アストリアの最期は、ターナーが艦長を務めた当時にとって、痛ましい記憶となったのです。彼こそがリーダーシップを発揮し、記憶に残る艦を作り上げました。

アストリアの歴史的意義

アストリアの存在は、アメリカ海軍の歴史において重要な地点となりました。彼女の参加した数々の戦いは、太平洋戦争を通じてアメリカの軍事戦略や国際関係における影響を与えたものでした。アストリアは、ただ単に艦船であっただけでなく、日米の歴史を織りなすうえで欠かせない存在となったのです。

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