アストロシティミニ

アストロシティミニとは

アストロシティミニは、セガトイズ（現・セガ フェイブ）から2020年12月17日に発売された家庭用ゲーム機です。セガグループ設立60周年プロジェクトの一環として企画・開発され、セガが販売を担当しました。1980年代から1990年代にかけてセガがアーケードゲームとして発表した36タイトルをプリインストールし、筐体デザインは1993年からセガが展開していた汎用ビデオゲーム筐体「アストロシティ」をモチーフにしています。

概要

昨今の復刻系ゲーム機の流れを汲む製品であり、本機はアーケードゲームに特化している点が特徴です。セガは過去にも、メガドライブ ミニやゲームギアミクロといった復刻系ゲーム機を発売しており、アストロシティミニはセガトイズが企画・制作を担当し、セガは販売を請け負うという体制で実現しました。

プロモーション動画のナレーションは、セガのサウンドクリエイターである光吉猛修が担当しています。

ハードウェア

外観はオリジナルのアストロシティを約6分の1サイズに縮小しており、デスクトップに置くことを想定して、筐体下部の基板や硬貨投入口は再現されていません。ただし、別売の「アストロシティミニ ゲームセンタースタイルキット」を使用することで、下部もオリジナルに近い外観にできます。

コントロールパネルは操作性を考慮し、約2分の1スケールのジョイスティックと6つのボタン、2つのスタートボタンを備えています。本体の材質や色調もオリジナルを可能な限り再現。通常版はオリジナルと同様に、1P側のライトグリーンのコントロールパネルが採用されています。2P側のピンクは、セガトイズのECサイト限定で販売される「アストロシティミニ ピンクバージョン」に採用されています。

本体は1人プレイ専用ですが、別売りのコントローラーを接続することで2人プレイも可能です。背面にはステレオミニジャックがあり、ヘッドホンや外部スピーカーも接続できます。筐体上部のマーキーはLEDで点灯し、スピーカーからはステレオ音声が出力されます。

画面サイズは約4インチで、16:9の比率ですが、ゲーム本編はオリジナルの4:3で表示されます。HDMI端子も搭載されており、外部ディスプレイへの出力も可能です。電源はUSB Micro-Bを使用し、モバイルバッテリーでの駆動も可能です。

ハードウェア開発は、株式会社瑞起がセガトイズと協力して行い、CPUにはメガドライブミニやPCエンジンminiにも使用された「ZUIKI SoC Z7213」が採用されています。

ソフト仕様

アストロシティミニは、オリジナルのゲーム基板を接続して遊ぶことはできません。また、外部からのソフトダウンロードも不可能となっています。ゲームの設定に関しても、プレイヤーが変更できるのはゲームプレイに関わるもののみで、テストモードやデバッグモードは実装されていません。ただし、ゲームプレイ中にいつでもセーブできる機能や、連射機能が搭載されています。

メニュー画面で流れるBGMは、セガの川口博史による新規書き下ろし楽曲です。一部のゲームタイトルでは、BGMだけを再生する「BGMモード」も選択できます。

ソフトウェア移植（エミュレーション）は、ハード開発と同様に株式会社瑞起が担当し、OSには同社が独自開発した「瑞起レトロゲーム機向けプラットフォーム(Vivid Linux)」をベースにしたものが使用されています。

収録タイトル

収録されているのは、セガが関わったアーケードゲーム36タイトルです。

周辺機器

アストロシティミニをさらに楽しむための周辺機器も販売されています。

アストロシティミニ コントロールパッド: オリジナルのアストロシティを意識したデザインのコントローラーです。
アストロシティミニ アーケードスティック: アーケードゲームの操作感を再現したジョイスティックコントローラーです。
* アストロシティミニ ゲームセンタースタイルキット: 筐体の下部や椅子などのミニチュアをセットにした、外観をよりオリジナルに近づけるためのキットです。

まとめ

アストロシティミニは、往年のアーケードゲームファンにとって、思い出を再び体験できる貴重な一台です。コンパクトなサイズながら、本格的な操作感と豊富な収録タイトルで、アーケードゲームの興奮をいつでも手軽に楽しめます。

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