HDMI

HDMI：高精細マルチメディアインターフェースの詳細

HDMI（High-Definition Multimedia Interface）は、テレビ、ゲーム機、パソコン、レコーダーなど、デジタルAV機器を接続するためのインターフェース規格です。1本のケーブルで高画質映像と高音質音声をデジタル信号として伝送できるため、家庭用AV機器の接続を大幅に簡素化しました。

HDMIの開発と規格

HDMI規格は、Silicon Image、ソニー、東芝、テクニカラー、パナソニック、日立製作所、フィリップスの7社が共同で開発しました。PCディスプレイ接続規格であるDVIをベースに、音声伝送、著作権保護、色差伝送などのAV機器に必要な機能を追加しています。2002年12月にHDMI 1.0が発表されて以来、継続的にバージョンアップが繰り返され、現在では8K映像伝送にも対応する規格となっています。

コネクタの種類

HDMIコネクタには、主に以下の種類があります。

タイプA: 標準タイプで、19ピン。最も広く使われています。
タイプB: 29ピン。デュアルリンクで高解像度に対応していましたが、後の規格でシングルリンクでも高解像度に対応できるようになったため、現在はほとんど使用されていません。
タイプC: ミニHDMI。小型で、ビデオカメラなどに使用されます。
タイプD: マイクロHDMI。さらに小型で、携帯電話やデジタルカメラなどに使用されます。
タイプE: 自動車用HDMI。車載機器の映像伝送に使用されます。

ケーブルの種類とバージョン

HDMIケーブルにも、対応する解像度や機能によって種類があります。

スタンダード: 720p、1080iに対応。
ハイスピード: 1080p、8bit超の色深度、ARC、HDMI Ethernetに対応。
プレミアムハイスピード: 4K/60p、HDR、HLG、24bit超の色深度、拡張CEC、32チャンネルオーディオに対応。HDMI 2.0bに適合。
ウルトラハイスピード: 4K/120p、8K/60p、Dynamic HDR、eARC、VRR、ALLMに対応。HDMI 2.1に適合。

HDMIのバージョンは、ケーブルだけでなく機器にも表記されます。バージョンが上がるにつれて、対応解像度や色深度、フレームレート、機能などが向上しています。しかし、後方互換性はあるものの、古いケーブルや機器との組み合わせによっては問題が発生する可能性があります。

HDMIの長所と短所

長所

1本のケーブルで映像、音声、制御信号の伝送が可能。
デジタル伝送のため、データ誤りがない限り画質・音質の劣化がない。
非圧縮で映像・音声を伝送できる。
最大8チャンネルのPCMマルチチャンネル音声伝送が可能。
DVIとの部分的な互換性がある。
AV機器間の連携制御が可能。

短所

ケーブルと機器の組み合わせによる不具合が発生することがある。原因究明が困難な場合もある。
古いケーブルで新しい機器を使用すると問題が発生することがある。
高価格帯である。
中継機器によって伝送できる信号が制限される場合がある。
長距離伝送では映像の途切れや瞬きが発生することがある。
端子の挿抜による劣化や破損の可能性がある。
オープンソースドライバでの対応が困難である。
ARCやeARCでは対応できる音声コーデックが制限される。
インテリジェント機能の切り替えで映像・音声途切れることがある。

HDMIの普及とアナログ端子の衰退

HDMIは、2004年頃から薄型テレビに搭載され始め、急速に普及しました。DVDレコーダー、BDレコーダー、ゲーム機などにも広く採用され、現在ではAV機器の標準的なインターフェースとなっています。

一方、著作権保護の観点から、アナログ出力（コンポーネント、D端子など）は制限され、2014年以降はハイビジョン画質以上のアナログ出力は事実上禁止となりました。そのため、新しいAV機器と古いアナログテレビを接続する場合は、HDMIからアナログに変換するコンバーターが必要となります。

HDMIの将来

HDMI規格は今後も進化を続け、より高解像度、高フレームレート、高機能への対応が期待されています。しかし、複雑化する規格と、それに伴う機器やケーブルのコスト増加は、課題として残されています。

関連項目

HDMIリンク、ビエラリンク、ブラビアリンク、レグザリンク、リアリンク、AQUOSファミリンク、RCA端子、コンポーネント映像信号、コンポーネント端子、D端子、コンポジット映像信号、S端子、AVマルチ端子、i.LINK端子、S/PDIF|S_PDIF、DVI、DisplayPort、MHL、SlimPort、高精細度テレビジョン放送、BDレコーダー、WHDIなど

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