アストロノミー・アンド・アストロフィジックス

アストロノミー・アンド・アストロフィジックス（Astronomy and Astrophysics）は、理論、観測、機器に基づく天文学及び天体物理学の分野を扱う査読付き学術雑誌です。この雑誌は、天文学分野における最も権威ある出版物の一つとして知られており、フランスのEDPサイエンスによって年に16号刊行されています。編集長のティエリ・フォルヴェイユが率いるこの雑誌は、過去にはクロード・ベルトーやミシェル・グルーイングといった著名な天文学者が編集長として活動していました。

創刊の歴史

1969年、アストロノミー・アンド・アストロフィジックスは、欧州各国で発行されていた異なる天文学関連の雑誌を統合する形で創刊されました。この統合によって、いくつかの古典的な雑誌がひとつにまとめられ、以下のようなタイトルが含まれています。

- Annales d'Astrophysique（1948年、フランス）
- Arkiv för Astronomi（1948年、スウェーデン）
- Bulletin of the Astronomical Institutes of the Netherlands（1921年、オランダ）
- Bulletin Astronomique（1884年、フランス）
- Journal des Observateurs（1915年、フランス）
- Zeitschrift für Astrophysik（1930年、ドイツ）

1992年には、チェコスロバキアのBulletin of the Astronomical Institutes of Czechoslovakiaを合併し、さらに勢いを増しました。当初は英語、フランス語、ドイツ語で論文を受け入れていましたが、フランス語とドイツ語の論文数が少なく、専門的な査読者の確保が難しいため、現在は英語のみが主な言語となっています。

スポンサーシップと国際化

この雑誌の創刊当初は、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデンの4カ国がスポンサー国として名を連ねました。その後、ベルギーやデンマーク、フィンランド、ノルウェーも加入しましたが、ノルウェーはやがてスポンサーから撤退しました。一方で、オーストリア、ギリシャ、イタリア、スペイン、スイスといった国々が新たに加わり、1990年代には中東欧諸国、具体的にはチェコ、エストニア、ハンガリー、ポーランド、スロバキアもメンバーとなりました。

2001年には、世界中からの参加が求められるようになり、表紙から「A European Journal」という文言が外されました。また、2002年にはアルゼンチンが「オブザーバー」として参加し、さらに2004年に理事会は「優れた天文学的研究を行っている国からのスポンサー会員申請を受けつける」方針を打ち出しました。これにより、アルゼンチンは2005年に非ヨーロッパ国として初の正規メンバーとなり、続いてブラジルやチリ、ポルトガルも正規メンバーとして認められました。

抄録と索引

アストロノミー・アンド・アストロフィジックスで発表される論文は、さまざまなデータベースに抄録が収録されており、研究者たちにとって重要な情報源となっています。

オープンアクセス

この雑誌では、編集者に送られたすべての手紙とオンラインセクションに掲載された論文は、発行と同時にオープンアクセスとして公開されます。また、紙媒体での発表後12か月経過した論文も無料で閲覧できるようになります。著者が特別に費用を支払うことで、即時オープンアクセスが可能になる仕組みも整っています。

参考文献

- S.R. Pottasch. “History and purpose of Astronomy and Astrophysics journal”. EDP Sciences. 2017年8月5日閲覧。

アストロノミー・アンド・アストロフィジックス