アストンマーティン・DBS

アストンマーティン DBSの魅力

アストンマーティンが製造したDBSは、特にそのスポーツカーの性能とデザインで知られています。1967年から1972年までの最初のモデルと、2007年から2012年までの現代モデルの2つに分けられます。ここでは、それぞれのモデルの特徴と魅力に焦点を当てます。

1967年 - 1972年モデル

DBSは1967年に市場に登場しました。それまでのDB6では1950年代のデザインが色濃く残されていましたが、DBSはウィリアム・タウンズが手掛けた現代的なデザインが特徴です。この新しいデザインは、ボディサイズが拡大されたことで室内も広くなりましたが、その分空力性能に影響を与えてしまいました。

このモデルに採用されたシャーシは、ハロルド・ビーチが新たに開発したものです。サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン、リアにはトレーリングアームとワッツリンクを組み合わせたド・ディオンアクスルを使用しています。この構成により、操縦性と快適性を高めることが求められました。

初期には5.3リットルの水冷V8エンジンが搭載される予定でしたが、開発が長引いたため、急遽DB6の4.0リットル水冷直6エンジンが搭載されました。そのため、パフォーマンスは予想よりも少なくなり、DB6と比較してやや劣る結果になりました。しかし、後に開発中のV8エンジンもラインナップに加わり、選択肢が増えました。

1973年には経営問題により生産が終了し、最後の70台は「ヴァンテージ」として販売されました。DBSのモデルは全体で790台しか生産されていませんでしたが、その希少性から今でも根強いファンが存在します。また、007シリーズの映画の中でも数回登場しています。

モデルのバリエーション

• - 通常モデル：4.0リットル直6エンジンを搭載。
• - V8モデル：1969年に追加され、5.3リットルV8エンジンを搭載。
• - ヴァンテージ：高性能モデルとして70台限定で発売。

2007年 - 2012年モデル「DBS V12」

次に、2007年に発表された新型DBSは、映画「007 カジノ・ロワイヤル」にてジェームズ・ボンドが運転することで広く知られるようになりました。このモデルは、特に軽量化と強度の両立が特徴です。軽量マグネシウム合金やカーボン繊維を使用したシャーシは、従来の素材よりも30kgの軽量化に成功しています。このような新しい素材の使用は、アストンマーティンにとって初めての試みでした。

搭載されている6リットルV12DOHCエンジンは最高517PSの出力を誇ります。加速性能も優れており、0から100km/hに到達するまでわずか4.3秒です。初期モデルはトランスアクスル型の6段マニュアルのみでしたが、その後、DB9と同じ6段オートマチック「タッチトロニックII」やオープンボディの「ヴォランテ」もラインナップに加わりました。

2012年には生産が終了し、次世代モデルとして第2世代のヴァンキッシュが登場しました。DBS V12は、アストンマーティンのスポーツカーのクオリティをさらに高めたモデルとも言えます。

これら2つのDBSは、それぞれの時代において違った魅力を持ち続け、多くのファンに愛されています。デザイン、性能、そして映画との関わりを通じて、アストンマーティンのブランド価値を高めています。

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