アストンマーティン・One-77

アストンマーティン One-77：限定77台のスーパーカー

アストンマーティンOne-77は、イギリスの高級スポーツカーメーカー、アストンマーティンが2011年に発表した、限定77台生産のスーパーカーです。その希少性と圧倒的なパフォーマンスから、多くの自動車愛好家やコレクターを魅了し続けています。

開発と生産

One-77の開発は2008年のパリモーターショーで発表されました。発表当初はベールに包まれたモックアップモデルが展示され、大きな話題を呼びました。その後、2009年にはシャシーナンバー1がロトのモーターショーに出展され、同年中にはインテリアとパワートレインが完成した市販モデルも公開されました。生産は2010年に開始され、2011年初頭からデリバリーが始まりました。わずか2年足らずの間に、全77台の生産台数が完売しました。ドバイ警察でも採用されたという逸話も持ち、その高い性能と希少価値が広く認められた証と言えます。

驚異のパワーユニット

One-77の心臓部には、コスワースと共同開発された7.3L V型12気筒自然吸気エンジンを搭載。DB9やDBS V12などに搭載される6Lエンジンをベースに開発されたこのエンジンは、750hpという驚異的な最高出力を発生します。これは当時の市販車用自然吸気エンジンとしては最高峰のスペックでした。ドライサンプ方式を採用することで、エンジン搭載位置を低くし、優れた重量バランスを実現しています。また、エンジンは前車軸よりも後方に配置されたフロントミッドシップレイアウトとなっており、優れたハンドリング性能に貢献しています。

徹底的な軽量化と空力性能

シャシーには、マルチマチック社との共同開発によるカーボンモノコック構造を採用。軽量かつ高剛性なボディを実現することにより、優れたハンドリングと高い操縦安定性を両立しています。さらにアルミニウムパネルを組み合わせることで、軽量化を徹底的に追求しました。

高性能サスペンションとブレーキシステム

サスペンションには、前後ともダブルウィッシュボーン式のインボードサスペンションを採用。水平に配置されたばねとショックアブソーバー、そして調整可能なDSSV（Dynamic Suspension Spool Valve）システムにより、優れた乗り心地と操縦安定性を両立させています。ブレーキシステムにはカーボンセラミックブレーキを採用し、高い制動力を発揮します。

圧倒的な走行性能

One-77は、0-96km/h加速3.5秒、最高速322km/hという驚異的な性能を誇ります。開発テストでは、最高速354.86km/hという記録も達成しており、その潜在能力の高さを示しています。専用のピレリPゼロコルサタイヤ（フロント: 255/35 ZR20、リア: 335/30 ZR20）も、その圧倒的な性能を支える重要な要素となっています。

まとめ

アストンマーティンOne-77は、その限定生産台数、圧倒的なパワーと性能、そして先進技術の融合によって、スーパーカーの中でも特別な存在感を放っています。高性能エンジン、軽量かつ高剛性のシャシー、そして高度なサスペンションシステムとブレーキシステムが、比類なきドライビング体験を提供します。その希少性と圧倒的な性能から、コレクターズアイテムとして非常に高い価値を持ち、今後もその伝説は語り継がれていくでしょう。

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