コスワース

コスワース (Cosworth)

コスワースは1958年に設立されたイギリスのレーシングエンジンメーカーであり、創業者のマイク・コスティンとキース・ダックワースの姓を組み合わせた名前で知られています。フォーミュラ1（F1）では176勝を挙げ、2024年には最多勝利数の3位に位置しています。現在はコスワース・グループホールディングスの傘下にあり、コスワース・エレクトロニクスも関連企業として存在しています。

歴史的背景

当初、コスワースはエンジンチューナーとしてスタートしましたが、まもなく独自のレース用エンジンの開発に転じました。多くのエンジンはフォードから資金援助を受けて製造されており、レースではしばしばフォードのバッジネームが使用されていました。しかし、コスワースはフォード専属ではなく、ロータス、シボレー、オペル、メルセデス・ベンツ、ロールス・ロイスなどの企業とも協力してエンジンを開発しました。

数多くの名作の中でも特に目立つのが、DFVエンジンです。DFVはF1の1960年代末から1980年代初頭にかけて154勝を達成し、今なお記録として残っています。また、DFVはCART/インディ500やル・マン24時間、全日本F3000選手権でも使用され、数々の栄光を手にしました。市販車にもコスワースここが関与したモデルは世界中に多く存在しています。

経営の変遷

コスワースの歴史において、オーナーが変わることが頻繁にありました。1980年にはユナイテッド・エンジニアリング・インダストリーズ（UEI）が買収しましたが、1988年にはカールトン・コミュニケーションズがUEIを購入しました。1990年には英ヴィッカースがコスワースを手に入れ、1998年にはフォルクスワーゲン・グループに売却され、その結果コスワースはアウディの傘下に入ります。

フォードとの関係が深いことから、フォルクスワーゲンとの交渉の結果、コスワースはコスワース・テクノロジーとコスワース・レーシングに分割され、レーシング部門はフォードによって新たに立ち上げられました。これによりフォードはレーシングエンジンを扱う会社を初めて直接管理することになり、また、フォードがコスワース・エレクトロニクスを買収したことも注目されます。

F1での偉業

コスワースのDFVエンジンは1967年に名車ロータス49に搭載されて以来、高い競争力を発揮しました。1967年オランダGPではジム・クラークがこのエンジンで初勝利を飾り、その後多くのプライベーターチームがDFVエンジンを搭載したマシンで1970年代を代表する活躍を見せました。1983年にはDFVエンジンのF1における勝利数が154に達し、紀元前F1のエンジンとしての記録を作りました。

1980年代以降、コスワースはDFVを改良したDFY、DFRなどの新しいエンジンも開発し、1990年代にかけてF1で活躍を続けました。特に1991年に開発されたZETEC-R V8エンジンは、ミハエル・シューマッハをサポートし、彼の初のドライバーズチャンピオン獲得に貢献しました。

最近の動向

2006年以降もコスワースはF1への供給を継続し、ウィリアムズやトロ・ロッソのエンジン供給を行いました。しかし、次第に供給チームが減少し、2014年には新たなエンジンレギュレーションに直面し、開発が見送られる結果となりました。

これまでの歴史を経て、コスワースは今後も新たな挑戦を続けるでしょう。コスワースはエンジン技術の革新を追求し、さまざまな分野での活動を通じてその名声を残し続ける企業であり続けるのです。

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