アストンマーティンF1

アストンマーティンF1（Aston Martin Formula One）

アストンマーティンF1は、自動車製造で名高いイギリスのブランド「アストンマーティン」を採用したF1コンストラクター。1959年から1960年にかけてF1世界選手権に参加したが、その後数十年にわたり活動は停止していたものの、2021年に「レーシング・ポイント」から改称され、61年ぶりにアストンマーティンの名がF1の舞台に戻ってきた。2024年のエントリー名は「アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチーム」である。

歴史的背景

アストンマーティン・ラゴンダ社は、カーレースの工房から発展し、早くからモータースポーツに関わってきた。特に第二次世界大戦後、デイヴィッド・ブラウン・コーポレーションに統合されて以降、スポーツカーレースでの成功が続いた。1959年にはル・マン24時間レースを初めて制し、同年のスポーツカー世界選手権でのマニュファクチャラータイトルも獲得。フォーミュラカー部門では、F1世界選手権に挑戦したが、わずか2年間で6戦にとどまり、スポーツカーレースに専念することを決断した。

2000年代以降の展開

2000年代から、アストンマーティンはプロドライブとの縁からGTレースやスポーツプロトタイプカテゴリーで活動を広げていく。2018年にはレッドブル・レーシングのタイトルスポンサーとなり、ハイパーカー「アストンマーティン・ヴァルキリー」も共同開発した。ただ、同年にロンドン証券取引所に上場したものの株価は低迷し、2020年にはローレンス・ストロール率いる投資家グループがメインの株主となり、その後、ストロールはアストンマーティン・ラゴンダ社の会長に就任した。

この新しい体制のもと、2021年シーズンからストロールが所有するレーシング・ポイントを「アストンマーティン」として改称し、対外的にアストンマーティンブランドを押し出す形で参戦。これに伴い、レッドブルとのタイトルスポンサー契約は終了し、共同開発していた車両の計画も一時中止された。

新たな投資と技術革新

ローレンス・ストロールはチームのファクトリーに巨額を投じ、従来の施設の隣に新しく広大な面積の土地を確保し、近代的な新ファクトリーの建設に着手した。この新スタジオは2023年から2025年にかけて段階的に完成予定で、特に風洞施設の設置も計画されており、車両の空力開発に大きく寄与する見込みである。また、2022年からはドライバー育成プログラムも運営しており、将来を見据えた育成戦略を進めている。

競技活動とドライバー

アストンマーティンF1は、2021年シーズンからセバスチャン・ベッテルをチームに加え、成績を上げる努力を見せる。初年度、ベッテルはアゼルバイジャンGPでチーム初の表彰台を獲得する喜びを味わった。続く2022年シーズンでもベッテルとランス・ストロールがドライバーとして活躍。ベッテルの引退問題が話題になる中、2023年にはフェルナンド・アロンソがチームに加わることで、さらなるパフォーマンス向上が期待されている。アロンソは開幕戦での健闘を見せ、良好なスタートを切った。

このように、アストンマーティンF1は新しい時代に向けて積極的な取り組みを続けており、その動向は今後のモータースポーツシーンで注目を集めることでしょう。

もう一度検索