アズマシャトル

アズマシャトル：宇宙への挑戦と静かな引退

アズマシャトルは、2011年4月5日に誕生した競走馬です。その馬名は、冠名に「宇宙船」という意味が込められており、宇宙へ飛び出すような勢いのある活躍を期待されたことが伺えます。デビューは2歳となった2013年。11月9日、京都競馬場で行われた2歳新馬戦（芝1600m）で鮮やかに勝利を収め、競走馬としてのキャリアをスタートさせました。

続く2歳シーズンでは、年末のラジオNIKKEI杯2歳ステークスに挑み、好位から力強く追い上げ、一時先頭に立ちました。しかし、ゴール直前でワンアンドオンリーに差し切られ、1馬身1/4差の2着に敗れました。このレースはアズマシャトルの潜在能力の高さを示すものとなりました。

3歳シーズンは、重賞レースへの挑戦を続けましたが、思うような結果を残せず、東京優駿（日本ダービー）では15着という悔しい結果に終わりました。その後、クラスを下げて挑んだ1600万下・TVh賞で2勝目を挙げ、年末のチャレンジカップでは4着と健闘を見せました。

4歳シーズンを迎えると、初戦の京都金杯で11着と大敗を喫しましたが、続く白富士ステークスでオープン特別を制し、自身にとって初めてのオープン特別勝利を挙げました。その後、新潟大賞典では12着、鳴尾記念では3着と、安定した走りをみせました。そして迎えた8月、小倉記念でアズマシャトルは、中団から徐々にポジションを上げ、最後の直線では大外を豪快に突き抜けて、先行馬を差し切り、見事優勝を飾りました。これは重賞初挑戦から10戦目での勝利であり、鞍上の松若風馬騎手にとっても重賞初制覇となりました。この勝利は、アズマシャトルの潜在能力の高さと、関係者全員の努力の結実と言えるでしょう。秋シーズンは休養に充て、5歳シーズンに鳴尾記念で復帰するも、最下位に終わり、これが最後のレースとなりました。2016年6月9日付で競走馬登録を抹消され、現役を引退しました。

引退後は、滋賀県甲賀市の甲賀ファームで乗馬として第二の人生を歩み始めました。しかし、2019年4月時点で全国乗馬倶楽部振興協会が公表している乗用馬名簿に記載がなく、功労馬繋養展示事業の対象にもなっていないことから、現在のアズマシャトルの消息は不明となっています。

アズマシャトルの血統には、ラジオたんぱ賞を制したビッグバイアモン、牝馬三冠を達成したスティルインラブ、優駿牝馬（オークス）を制したローブデコルテなど、数々の活躍馬の名が連なっています。これらの名馬から受け継いだ才能と、関係者全員の努力が、アズマシャトルの競走馬としての短いながらも輝かしいキャリアを築き上げたと言えるでしょう。アズマシャトルの今後の消息が、いつか明らかになることを願ってやみません。

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