アタック拳

アタック拳

『アタック拳』は、日本の漫画家・川崎のぼるによって生み出された作品で、1965年に『週刊少年サンデー』で連載され、その後テレビドラマにも展開されました。漫画が放送されたのは1965年の37号から1966年の46号までの間でした。

あらすじ

主人公の安宅拳太郎は、改造したバスを利用して移動レストラン「アタック軒」を営んでいますが、彼の本業はそれだけではありません。実は、拳太郎は日本国内で活動する悪のギャング組織「ワールドパワー」に立ち向かうために、警視庁直轄の秘密諜報機関「ブラックフェニックス」の一員でもあるのです。彼は、突如として届く録音テープからの指令を受けて行動を開始します。

拳太郎は、愛用の特殊装備が施されたバス、すなわち愛車のZ10号を駆り、普段はガソリンスタンドの店員として働く仲間、戸川隆吉や由利子と共に、ワールドパワーの陰謀を止めるために闘います。彼らの冒険は、コメディとアクションが融合した独自の世界観を持ち、常に新たな挑戦が待ち受けています。

テレビドラマ

この漫画を基にして、1966年10月2日から1967年1月1日まで、いわゆる「日本教育テレビ(NET)」系で放送されたテレビドラマもありました。この東映制作の作品は、全14話のモノクロ作品で、コメディスパイアクションジャンルに属しています。

プロデューサーの山田正久は、特に本作を『空手三四郎』や『くらやみ五段』と並ぶ格闘技をテーマにした三部作の一つとして位置付けています。また、同じく東映とNETが製作した『スパイキャッチャーJ3』と同様に、スーパーカーの描写には特撮技術を用いながらも、特撮やスパイ要素よりも生身のアクションが重視されています。

現存状況

本作の映像については、第1話「ツタンカーメン襲撃作戦」の保存が確認されていますが、第2話以降は行方不明です。そのため、現在では視聴可能なエピソードは限られています。ただし、東映チャンネルでは第1話が不定期に放映されたり、主題歌入りのオープニング映像が『東映TV特撮主題歌大全集 voi.1』に収録されています。

2020年には、『往年の傑作テレビ映画 第1話特集』として第1話のデジタルリマスター版がリリースされ、保存状態の良いものがファンに届けられました。

スタッフとキャスト

物語を支えるのは、原作の川崎のぼるをはじめとし、プロデューサーの山田正久、脚本の七条門、監督の奥中惇夫など多くの才能あふれるスタッフの協力です。音楽を担当したのは佐藤允彦で、主題歌「アタック拳の歌」は藤島信人による作詞、原賢一による作曲で名付けられました。

キャストには、安宅拳太郎役の高島英志郎をはじめ、由利子役の新井茂子、戸川隆吉を演じた伊達正三郎らが名を連ねています。こうした魅力的なキャラクターたちが複雑なストーリーを構成し、視聴者を魅了しました。

『アタック拳』はその独特の物語展開とキャラクターたちの活躍により、今なおファンに支持され続けています。

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