アタナシウス・シュナイダー

アタナシウス・シュナイダーの紹介

アタナシウス・シュナイダー（Athanasius Schneider, 1961年4月7日生まれ）は、カザフスタンのローマ・カトリックの補佐司教として知られており、特に第二バチカン公会議以前の典礼や教会の伝統を擁護する姿勢で注目されています。また、教皇フランシスコの政策に対する批判でも知られ、カトリック信者の中での重要な人物であります。

若年期

シュナイダーはソビエト連邦のキルギスで、黒海ドイツ人の家庭に生まれ育ちました。彼の家族は第二次世界大戦後、厳しい境遇に置かれ、スターリン政権の迫害を受けました。シュナイダーは、家族と共に秘密のミサに参加するために、多くの距離を旅した幼少期を迎えました。この特殊な環境において、シュナイダーは信仰を抱いて成長しました。1973年、家族は西ドイツに移住しました。

司祭職と司教職

1982年、シュナイダーはオプス・サンクトラム・アンゲロルムに入会し、司祭に叙階された後はブラジルで数年間活動しました。その後、カザフスタンに戻り、母マリア神学校で教学に従事しました。2006年にはバチカンで司教に叙階され、2011年よりアスタナ大司教区の補佐司教として奉仕しています。シュナイダーは多言語に堪能で、カトリック教会の教義を支持し、活発な意見表明を行っています。

思想と信仰の姿勢

シュナイダーは宗教的保守主義を唱え、現代における信者の動揺を懸念しています。彼は多くの教職者が信仰を曲げていると見なし、その背信に対する強い批判を展開しています。2014年には「現在の教会は信仰の裏切り者に包囲されている」と述べ、自らの信念を強く主張しました。また、彼は聖体拝領の重要性を強調しており、特に伝統的な典礼の中での受け取り方を重視しています。

聖体拝領に関する見解

シュナイダーは、聖体拝領においてひざまずいて舌の上で受けることを提唱しており、彼の著書『ドミヌス・エスト』にもその信念が詳述されています。彼は教会の伝統的な教えを堅持し、特に離婚後に再婚した信者が聖体を受けることには反対しています。この点において、彼は教皇の意見とも対立し、教会が堅持すべき正しい信仰についての見解を逆らうものとしています。

性的虐待問題への対応

シュナイダーは教会内における性的虐待問題に対し、透明性と厳格な対応を求めています。彼は教会内の同性愛者のグループによる問題を批判し、その浄化を訴えています。彼の発言は、教会内の深刻な課題に向き合おうとするものであり、指導者たちの責任を強調しています。

諸宗教と移民問題

シュナイダーは、多宗教共生の考え方に対し懐疑的であり、特にカトリックが多数派である国において、他の宗教の布教に対して厳しい制限を求めています。また、ヨーロッパへの移民問題に対しても、特にイスラム教徒の大量移民に強い反対意見を持っています。その見解は、彼の信仰に基づくものであり、キリスト教の存続を危ぶむものとされています。

典礼と新型コロナウイルスの影響

シュナイダーは、伝統的な典礼の回復を強く推進しており、特にトリエント・ミサの重要性を訴えています。また、新型コロナウイルスの影響で教会が閉鎖された際には、他の公共施設が営業しているにもかかわらず教会のみが閉じられていることに不満を表明しました。彼は、教会の礼拝が続けられるよう提言しています。

今後の活動

今後、シュナイダーは持続的な信仰の守護者として、カトリック教会の未来について積極的に意見表明を行うことが期待されています。彼の観点は、カトリック教会・信者の信仰の保持と、伝統の重要性を訴えるものであり、さらなる議論を呼ぶ要因となることでしょう。

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