アッシジ

アッシジ：聖フランシスコの故郷

アッシジ（イタリア語: Assisi）は、イタリアのウンブリア州に位置し、約28,000人が住む都市です。この町は、特に聖フランシスコの生誕地として知られ、キリスト教徒にとっての重要な巡礼地でもあります。フランシスコの名を冠した数々の宗教施設は、その美しさと歴史的意義から「アッシジ、フランチェスコ聖堂と関連修道施設群」としてユネスコの世界遺産に登録されています。

名称と発音

アッシジは、標準的なイタリア語では [asˈsizi] と発音され、カナ表記では「アッスィーズィ」が近い表現となります。地元の方言では「アッスィスィ」とも言われ、日本語では「アッシジ」と表記されることが多いですが、「アッシージ」や「アシジ」というバリエーションも存在します。

地理

アッシジはペルージャ県の中心部に位置し、スバシオ山の西の斜面に広がっています。この丘の上にある市街地は、県都ペルージャから約19kmの距離にあり、首都ローマまでは131kmほどの場所です。面積は186.84平方キロメートルに及び、周辺にはヴァルファッブリカやノチェーラ・ウンブラなどの都市が接しています。

歴史的な背景

アッシジの歴史は古く、紀元前1000年頃には、地域に最初の人々が住み始めました。紀元前450年頃にはエトルリア人がこの地を占領し、以降ローマ帝国の一部となっていました。特に紀元前295年のセンティヌムの戦い以後、ローマ人はアッシシウムという町を築き、広場や神殿などの痕跡が残っています。238年にはキリスト教に改宗し、後に聖ルフィヌスにより地区のキリスト教化が進められました。

中世と近世

中世には、アッシジは独立した都市国家となり、教皇派との抗争を繰り広げました。12世紀には市街地が拡大し、13世紀には教皇領に編成されました。これを経て、アッシジはペルージャの支配を受け、その後も多くの君主によって統治されました。16世紀には教皇領に再編成され、1570年代にサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ聖堂が建設されました。

現代のアッシジ

今日、アッシジは聖フランシスコの伝説に導かれる多くの巡礼者や観光客が訪れる場所となっています。彼は自然を愛し、動物にも優しい姿勢で知られています。1997年には地震によって多くの史跡が影響を受けましたが、その後の復興は迅速に行われ、主要な観光地も再び訪れることができるようになりました。アッシジには、多くの著名な修道士や聖人が生まれ、彼らの伝説が今も息づいています。

交通と観光

アッシジには、ペルージャからのアクセスが便利な公共交通機関があります。主要な道路や鉄道に加え、最寄りの空港も近くにあります。訪れる人は、サンフランチェスコ教会や聖堂を巡り、町の静かな時間を楽しむことができます。

アッシジは、その歴史的な魅力と宗教的背景からも、訪れる人々に深い感動を与える場所です。

もう一度検索