アッシュ (バンド)

アッシュ：ブリットポップから独自の進化を遂げたロックバンド

アッシュは、1992年に北アイルランドのダウンパトリックで結成されたロックバンドです。ティム・ウィーラー（ボーカル、ギター）、マーク・ハミルトン（ベース）、リック・マックマーレイ（ドラムス）の3人によって始められ、その後、シャーロット・ハザレイ（ギター、キーボード、バッキングボーカル）が加入しました。バンド名は、辞書の中から気に入った単語として選ばれたと言われています。

1990年代：ブリットポップ時代の躍進

高校時代から活動を始めたアッシュは、ブリットポップブームに乗って頭角を現します。エラスティカの前座を務めるなど、着実に経験を積み重ね、1996年にはメジャーデビューアルバム『1977』をリリース。「Girl From Mars」や「Goldfinger」、「Oh Yeah」といったヒット曲を連発し、瞬く間に人気バンドとなりました。10代バンドとしては異例の成功を収め、全英チャート1位を獲得する快挙も達成しています。しかし、若さゆえのハプニングも経験し、ホテルの一室を破壊する事件なども話題となりました。

2000年代：苦悩と復活、そして新たな方向性

1998年のセカンドアルバム『New Clear Sounds』は、ブリットポップブームの終焉や、バンド自身の成長による苦悩が反映された作品となりました。商業的には前作ほどの成功は収めませんでしたが、日本での人気は高く、この時代の支えとなったとメンバーは語っています。その後、一時活動休止を経て、2001年にリリースされた『Free All Angels』は、彼らにとって大きな転機となりました。このアルバムはチャート1位を獲得、ミリオンセラーを記録し、見事な復活劇を遂げました。

2004年には『Meltdown』を発表。ヘヴィで骨太なロックサウンドに挑戦し、アメリカでの成功も目指しました。フジロックフェスティバルでの圧巻のパフォーマンスも話題を呼びました。しかし、2006年にシャーロット・ハザレイが脱退。バンドは3人体制に戻り、2007年には『Twilight of the Innocents』を発表。キャッチーなメロディーと実験的な要素を融合させた作品となり、バンドの深化を示しました。この作品は、CDとしては最後の作品として発表されました。

2010年代以降：独自のプロジェクトと精力的な活動

CD制作からは距離を置くものの、アッシュは精力的に活動を続けています。2009年からは「A-Zシリーズ」というプロジェクトを開始し、26曲を7インチCDと配信でリリース。このシリーズを元にアルバム『A-Z Volume 1』と『A-Z Volume 2』を発表しています。フジロックフェスティバルへの出演や日本ツアーなども行い、現在も活動を継続中です。

他のアーティストとの交流

アッシュは、多くのアーティストと親交があります。ASIAN KUNG-FU GENERATION、U2、コールドプレイ、スノウ・パトロール、リリー・アレン、ウィーザー、フー・ファイターズなど、様々なジャンルのアーティストと交流を持ち、音楽シーンにおける存在感を示しています。代表曲「Kung Fu」は、ジャッキー・チェンへのオマージュであり、ジャッキー・チェンのファンクラブ名誉会員にも認定されています。

音楽性と特徴

アッシュの音楽性は、キャッチーなメロディーとストレートなギターサウンドが特徴です。ブリットポップの影響を受けながらも、自身のスタイルを確立し、ヘヴィなロックサウンドにも挑戦するなど、幅広い音楽性を持ち合わせています。メンバーの3人は筋金入りのハードロック好きであり、その影響が音楽に反映されています。グリーン・デイなどを高く評価する一方、Sum 41は「ガキすぎる」と評するなど、独自の視点も持ち合わせています。

まとめ

アッシュは、ブリットポップ時代から現在まで、常に進化を続け、独自の音楽性を確立してきたバンドです。日本でも高い人気を誇り、多くのアーティストとの交流を通じて、音楽シーンに大きな影響を与え続けています。彼らの音楽は、時代を超えて愛され続けることでしょう。

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