アッシュル・ニラリ1世

アッシュル・ニラリ1世（Aššur-nārāri I）

アッシュル・ニラリ1世（Aššur-nārāri I、アッシリア語で「アッシュル神は我が助け」の意）は、古アッシリアの王であり、紀元前2千年紀の半ばに26年間在位しました。

生涯

彼はイシュメ・ダガン2世の息子であり、兄弟のシャムシ・アダド3世の後を継いで王位に就きました。『アッシリア王名表』によると、彼は60代目の王であり、「総督（ensi）」と「（アッシュルの）副王（iššiak）」の称号に加えて、「修復者（muddiš）」と「建築者（bāni）」の称号も用いました。

『対照王名表』には、彼と同時代のバビロニア王として「Kaštil[...]」という王名が記されており、これはカシュティリアシュ3世であると考えられています。カシュティリアシュ3世は、ブルナ・ブリアシュ1世の息子であり後継者であり、カッシート王朝が南部メソポタミア（バビロニア）に対する支配を及ぼし始めた頃の王です。

業績

アッシュル・ニラリ1世は、建設活動にも力を注ぎました。古い渓谷から発見されたレンガに刻まれた4つの碑文には、Bel-ibrīia神殿の建設作業、アバル（Abaru）の前庭の修復、そして「大いなる歓喜の家」と呼ばれるシン＝シャマシュ（月神/太陽神）の神殿の再建を記念したことが記されています。この神殿は、後にトゥクルティ・ニヌルタ1世とアッシュル・ナツィルパル2世によって再建されることになります。

後継

アッシュル・ニラリ1世の跡は、息子のプズル・アッシュル3世が継ぎました。

アッシュル・ニラリ1世の治世は、アッシリアが周辺地域との関係を深め、文化的な発展を遂げた時代でした。彼の建設活動は、アッシリアの神々への信仰を深め、王国の繁栄を象徴するものとして、後世にも語り継がれています。

アッシュル・ニラリ1世は、アッシリアの歴史において重要な役割を果たした王の一人であり、彼の治世は、アッシリアの発展に大きな影響を与えました。

もう一度検索