アッタロス1世

アッタロス1世

アッタロス1世（紀元前269年 - 紀元前197年）は、ペルガモン王国（アッタロス朝）の第2代国王であり、その治世は紀元前241年から紀元前197年まで続きました。彼は、王国を危機から救ったとして「救済王（ソテル）」とも称されました。

生い立ちと即位

アッタロス1世の父アッタロスは、先代の王エウメネス1世の従兄弟にあたり、母はセレウコス朝の王女でした。幼少の頃から父に従い軍事経験を積みました。エウメネス1世が後継者を指名しなかったため、アッタロス1世が王位を継承する際には困難もありましたが、ガラティア人の侵攻を撃退した功績が認められ、王位に就きました。

セレウコス朝との戦い

即位後、アッタロス1世はセレウコス朝との領土紛争に巻き込まれました。特にアンティオコス・ヒエラックスとの戦いでは、紀元前226年までに三度にわたる勝利を収め、アナトリア地方のほぼ全域を支配下に置きました。この勝利により、アッタロス1世は王国を危機から救ったと自負し、「ソテル」と名乗るようになりました。しかし、紀元前222年までには、征服した領土のほとんどがセレウコス朝に奪還されることとなりました。

マケドニア王国との対立

西方では、マケドニア王国のピリッポス5世との間で領土問題を抱えていました。アッタロス1世は、この対立に対抗するため、アイトリア人を支援し、さらにローマと同盟を結びました。この同盟は、マケドニアの背後を脅かす戦略的なものでした。

第一次マケドニア戦争では、ハンニバル率いるカルタゴをマケドニアが支援したことを理由にローマと同盟して参戦しました。この戦争では大きな戦果は得られませんでしたが、続く第二次マケドニア戦争にも参戦し、勝利を目前にしたところで病に倒れ、生涯を終えました。

文化への貢献

アッタロス1世は、単に軍事的な成功だけでなく、文学、哲学、芸術などの文化振興にも力を注ぎました。彼の時代に奨励された文化活動は、ペルガモン文化の発展の基礎を築き、後世に大きな影響を与えました。

関連事項

• - ペルガモン博物館：アッタロス朝の文化遺産を展示する博物館。
• - セレウコス朝：アッタロス朝と対立した古代ギリシアの王国。

アッタロス1世の治世は、ペルガモン王国が地中海世界における重要な勢力となる上で重要な時期であり、彼のリーダーシップは後世に長く語り継がれています。

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