アディル・ズルフィカルパシッチ

アディル・ズルフィカルパシッチ（1921年12月23日 - 2008年7月21日）は、ボスニア・ヘルツェゴビナのボシュニャク人 политичар、知識人です。彼は、激動の20世紀を生き抜き、ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史に大きな足跡を残しました。

ズルフィカルパシッチは、現在のボスニア・ヘルツェゴビナにあたる、ユーゴスラビア王国のフォチャで生まれました。1938年にはユーゴスラビア共産主義者同盟に加わり、設立メンバーの一人となります。第二次世界大戦中の1942年には、クロアチアのファシスト組織であるウスタシャに捕らえられ、拷問を受け、死刑宣告を受けました。しかし、パルチザンの活躍によって脱出し、戦後はユーゴスラビア社会主義連邦共和国で貿易副大臣を務めました。

しかし、ヨシップ・ブロズ・ティトーとの意見の相違から亡命を余儀なくされ、スイスのチューリッヒへと移り住みます。ユーゴスラビア崩壊が始まると、ボスニア・ヘルツェゴビナへ帰国し、独立運動に身を投じました。初代大統領アリヤ・イゼトベゴヴィッチの側近として活動しましたが、後に政治的な立場の違いから袂を分かち、ムハメド・フィリポヴィッチと共に新たな политичар組織を設立しました。

2001年には、サラエヴォにボシュニャク人機関を設立し、ボシュニャク人の文化、歴史研究に貢献しました。2002年には、ボスニア・ヘルツェゴビナ科学芸術アカデミーの名誉会員に選ばれました。

彼はその生涯を通じて、ボスニア・ヘルツェゴビナの独立と発展、そしてボシュニャク人のアイデンティティ確立に尽力しました。その功績は、今もなおボスニア・ヘルツェゴビナの人々に記憶されています。

著書
* Adil Zulfikarpašić (1998). The Bosniak. C.Hurst & Co. Ltd. ISBN 1850653399

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