アデュー・フィリピーヌ

アデュー・フィリピーヌ

『アデュー・フィリピーヌ』（フランス語: Adieu Philippine）は、1962年に公開されたジャック・ロジエ監督によるフランスとイタリアの合作映画です。この作品は、1958年にロジエが制作した短編ドキュメンタリー映画『十代の夏』がきっかけとなり、ジャン＝リュック・ゴダールがプロデューサーのジョルジュ・ド・ボールガールに紹介したことで実現しました。

概要

この映画は、徴兵を控えた若いテレビ局エンジニアのミシェルが、リリアーヌとジュリエットという二人の女性と出会い、共に過ごす最後の自由な日々を描いています。彼女たちはまるで「フィリピーヌ」というアーモンドのように、常に一緒に行動する親友同士です。ミシェルは仕事を辞め、休暇を利用して彼女たちと共にコルシカ島への旅に出ます。この旅行は、ミシェルにとって徴兵前の最後の自由な時間であり、青春の儚さや喜びを象徴する出来事となります。

制作背景

1960年の夏に撮影が行われ、2年後の第15回カンヌ国際映画祭で上映されました。日本では、1970年代から東京日仏学院が英語字幕付きの16ミリプリントを所有しており、1980年代には映画評論家の梅本洋一が主宰する「梅本洋一の木曜シネクラブ」で夏になると上映されていました。2004年と2006年には紀伊国屋書店からDVDが発売されましたが、劇場公開はされていませんでした。しかし、2010年に開催された特集上映「ジャック・ロジエのヴァカンス」で、初めて渋谷のユーロスペースにて上映され、その後全国で順次公開されました。

作品データ

監督: ジャック・ロジエ
脚本: ジャック・ロジエ、ミシェル・オグロール
規格: 白黒映画、モノラル録音、35ミリフィルム
ジャンル: ドラマ映画

キャスト

ジャン＝クロード・エミニ - ミシェル
ダニエル・デカン - ダニエル
ステファニア・サバティニ - ジュリエット
イヴリーヌ・セリ - リリアーヌ
ヴィットーリオ・カプリオリ - パシャラ
ダヴィド・トネリ - ホラーティオ
アンヌ・マルカン - ジュリエットの声
アンドレ・タルー - 島のレニエ
クリスチャン・ロンゲ - クリスチャン
ミシェル・ソワイエ - アンドレ
アルレット・ジルベール - 母
モーリス・ガレル - 父
ジャンヌ・ペレス - 隣の女
シャルル・ラヴィアル - 隣の男

物語

1960年のパリ。ミシェルは徴兵によりアルジェリアへ行くことになっていました。テレビ局で働くエンジニアである彼は、同僚のリリアーヌと、その親友ジュリエットと出会います。ミシェルは徴兵までの時間をどのように過ごすか思案し、仕事をやめて二人の女性と共にコルシカへ旅立つことを決めます。この旅行は、彼の人生における最後の自由な時間であり、友情、青春、そして未来への不安が入り混じる、特別な夏を描いています。

関連事項

ジャック・ダンジャン
マクシム・ソリ
天国の口、終りの楽園。

外部リンク

ジャック・ロジエのヴァカンス - 公式サイト
アデュー・フィリピーヌ - allcinema
Adieu Philippine - オールムービー（英語）
* Adieu Philippine - IMDb（英語）

もう一度検索