アトラスグローバル

アトラスグローバル（旧アトラスジェット）

アトラスグローバル（AtlasGlobal、旧アトラスジェットAtlasJet）は、トルコのイスタンブールを拠点としていた航空会社です。2001年に設立され、国内外に路線を展開していましたが、2020年に経営破綻しました。以下にその詳細を解説します。

歴史

アトラスグローバルは、2001年3月14日に設立され、同年6月1日に運航を開始しました。設立当初の社名は「アトラスジェット国際航空」であり、Öger Holdingsの子会社でした。2004年にはETSグループが株式の45%を取得し、2006年2月にはÖger Holdingsから株式を取得して90%を保有するようになりました。

2015年4月1日、ブランド名を「アトラスグローバル」に変更しました。しかし、2019年11月26日には資金繰りの悪化を理由に運航を一時停止しました。この背景には、2015年から2016年にかけてのトルコでのクーデターやテロによる旅行需要の低迷、2018年下半期の急激なリラ安による国内旅行の減少がありました。これらの要因による経営悪化は、利益確保と経営の立て直しを図ったものの、2016年と2017年に発生した損失をカバーするには至らず、経費削減のためのリストラ計画を進め、キャッシュフローの改善を目指していました。

2019年12月22日、イスタンブール発ロンドン行きのフライトを皮切りに運航を再開しましたが、2020年2月14日には資金繰り難から裁判所に破産法の適用を申請し、事実上倒産しました。

就航都市

アトラスグローバルは、主にイスタンブールのアタテュルク国際空港を拠点として、トルコ国内に14路線を展開していました。国際線では、イギリス・ロンドン、北キプロスのエルジャン国際空港、イングランド・マンチェスター、セルビア・ニシュなどに定期便を運航していたほか、ヨーロッパ各地へのチャーター便も提供していました。

保有機材

2017年2月時点でのアトラスグローバルの保有機材は以下の通りです。

エアバスA319
エアバスA320
エアバスA321

事件・事故

アトラスグローバルは、運航中にいくつかの事件や事故を経験しました。

2007年8月18日 ハイジャック事件: エルジャン国際空港発イスタンブール行きのアトラスジェット1011便（マクドネル・ダグラス MD-83、機体記号TC-AKN）が、離陸直後に乗客2人によってハイジャックされました。犯人はアルカーイダのメンバーであると主張し、イラン・テヘランへのダイバートを要求しましたが、最終的にはトルコのアンタルヤ空港に着陸。乗客と乗員は全員無事でした。

2007年11月30日 アトラスジェット4203便墜落事故: イスタンブール発ウスパルタ行きのアトラスジェット4203便（マクドネル・ダグラス MD-83、機体記号TC-AKM）が、ウスパルタ・スュレイマン・デミレル空港への着陸進入中に墜落しました。この事故で乗客50人と乗員7人全員が死亡しました。事故機はワールド・フォーカス航空からウェット・リースされたものでした。

2017年7月27日 雹による緊急着陸: イスタンブール発エルジャン国際空港行きのアトラスグローバル1010便（エアバスA320、機体記号UR-AJC）が離陸直後、雹によって機体のウィンドシールドが破損し、視界を失うという緊急事態に見舞われました。機体は自動操縦を失い、手動操縦でアタテュルク国際空港に緊急着陸しました。乗員乗客127人全員に怪我はありませんでした。

脚注

[外部リンク]
ウィキメディア・コモンズには、アトラスグローバルに関するカテゴリがあります。
公式サイト （トルコ語）

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