アトラスII

[アトラスI]]Iは、アメリカ合衆国のアトラスロケットシリーズに属する打ち上げロケットであり、1950年代に開発されたアトラス大陸間弾道ミサイル]を起源としています。[[アトラスIの後継機として開発され、その特徴的な設計として、3基のロケットエンジンを使用する「1.5段式」を採用しています。この方式では、3基のエンジンが線上に配置され、上昇中に両側の2基が切り離され、中央のエンジンのみで上昇を継続します。

アトラスIIは、その後のアトラスIIIでは採用されなかったこの1.5段式を採用した最後のロケットとなりました。主に、低軌道、静止トランスファ軌道、静止軌道への衛星投入を目的として開発され、アトラスII、IIA、IIASの各型が1991年から2004年までの間に計63機打ち上げられました。

特徴
アトラスIIは、1段目と2段目にアトラスミサイルやアトラスIよりも推力を向上させたロケットエンジンと、延長された燃料タンクを搭載することで、性能を大幅に向上させています。アトラスIIの総推力は490,000ポンド(約2,200kN)に達し、約2,767kgの人工衛星を高度35,000kmの軌道に投入する能力を有しています。このシリーズでは、上段ロケットに世界で初めて液体酸素と液体水素を推進剤として使用したセントールを採用し、衛星の軌道投入能力を確保しています。

開発背景
アトラスIIの開発は、1988年5月にアメリカ空軍がジェネラル・ダイナミクス社（現在のロッキード・マーティン社）を開発会社として選定したことに始まります。この決定は、1986年のチャレンジャー号の爆発事故を受けて、ELV（使い捨て型ロケット）による防衛通信衛星の打ち上げを目的としたものでした。また、1980年代後半に商業用人工衛星の打ち上げ失敗が相次いだことも、開発を後押しする要因となりました。

アトラスIIの打ち上げは、東海岸ではフロリダ州のケープカナベラル空軍基地のSLC-36から第45宇宙航空団の管制下で行われ、西海岸ではカリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地のSLC-3から第30宇宙航空団の管制下で行われました。アトラスIIの最後の打ち上げは2004年8月31日に行われました。

アトラスIIには基本型の他に、主エンジンを改良したアトラスIIA、さらに主エンジン改良に加え、4基の固体ロケットブースターを追加したアトラスIIASが存在します。

仕様諸元
用途: 衛星打ち上げ
製造会社: ロッキード・マーティン（機体組み立て、アビオニクス、試験とシステム統合）
関連企業:
ロケットダイン (アトラスのエンジン, MA-5)
プラット&ホイットニー (セントールのエンジン, RL-10)
ハネウェル & テレダイン (アビオニクス)
エンジン:
3基のMA-5Aロケットダインエンジン
2基のプラット&ホイットニーRL10A-4セントールエンジン
推力: 494,500 lbf (約2,200 kN)
全長: 最大約47.54m（エンジンクラスター部分は約4.87m）
コアの直径: 約3.04m
全備重量: 約204,300kg
最初の打ち上げ: 1992年2月10日
機種: II, IIA, IIAS
射場: ケープカナベラル空軍基地(フロリダ州)

出典
USAF Atlas II Fact Sheet

外部リンク
NASA page on Atlas IIAS Vehicle
* Animation of the Atlas-IIAS launch and Terra satellite deployment

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