アトリエかぐや

アトリエかぐや：エロティシズムを追求するアダルトゲームブランド

アトリエかぐやは、株式会社アステックトゥーワンが展開するアダルトゲームブランドです。2001年の設立以来、同ブランドは、安定した品質と、過激なエロ描写で、一定のファンを獲得してきました。

ブランドの概要

アトリエかぐやは、全年齢向けゲームソフトの開発で実績のあるアステックトゥーワンによって設立されました。Key作品に代表される「泣きゲー」とは一線を画し、徹底したエロティシズムを追求した作品を多数リリースしています。その作品の多くは、ご都合主義的な展開と、密度の高いセックスシーンが特徴で、いわゆる「抜きゲー」として知られています。

Berkshire Yorkshireレーベルからは、『家庭教師のおねえさん』や『姉汁』など、お姉さんをテーマにした作品が人気を集めました。また、卑語を修正する際のピー音の短さと、修正音と卑語のずれによって、かえって卑語が聞き取れてしまうという、独特の演出「かぐや消し」は、業界内でも話題となりました。

堅調な売り上げを維持する一方で、3万本を超えるような爆発的なヒット作には恵まれていません。2010年から2011年にかけては、看板原画家のchoco chipやM&Mが相次いで退社・移籍し、一時的にロープライス作品に注力する時期もありました。しかし、2011年からは『KAGUYAコレクション』と題して、過去作品の廉価版パッケージ販売やダウンロード販売を開始し、新たな顧客層の開拓を試みています。

開発チーム制

アトリエかぐやは、複数の開発チームによる作品制作を行っています。かつては「TEAM HEARTBEAT」と「Berkshire Yorkshire」が主力でしたが、2022年現在は以下のチームが稼働しています。

Honky-Tonk Pumpkin（2007年〜）
Cheshier cat（2013年〜）
BARE & BUNNY（2013年〜）- 開発休止・消滅

過去には、「DREIZEHN」などのチームも存在しましたが、現在は活動を停止しています。また、「P-ch」は、実質的には外注チームに近い形態で、アトリエかぐやは発売・販売のみを担当しています。

2010年にはchoco chip、2011年には桐生タツヒコなどが退社し、新ブランド「アストロノーツ」を立ち上げました。「TEAM HEARTBEAT」のメンバーも多くがアストロノーツへ移籍したため、同チームは稼働停止となりました。

2012年には新チーム「TEAM Gassa-Q」が始動しましたが、メイン原画家の坂上海が退社。2013年には「Cheshier cat」と「Fortissimo ff」が新たに加わりました。また、「Fortissimo ff」のデビュー作では、choco chipがSD原画担当として復帰し、話題を呼びました。同年には「BARE & BUNNY」も始動し、choco chipがメイン原画を担当しています。

2021年には、メイン原画家の有栖川千里が退社し、アダルトゲーム原画家業から引退しました。

ブランドの歴史

アトリエかぐやは、いくつかの時期を経て、その方向性を確立してきました。

草創期：初期の3作品は、売り上げが伸び悩みました。
『最終痴漢電車』〜『恥辱診察室』：原画の固定やチーム分業制の導入、抜きゲー色の強化など、ブランドの方向性が定まりました。
『人形の館』と『妹汁』：声優陣を刷新し、『人形の館』で抜きゲーメーカーとしての地位を確立。BYは『妹汁』でコメディ重視の方向性を打ち出しました。
姉三部作：『ナースにおまかせ』・『家庭教師のおねえさん』・『姉汁』の3作品で、BYの人気がHBと並び、ブランド全体の売り上げを押し上げました。
最終痴漢電車シリーズ：HBが製作した3作品で、シリーズを通して巨大な組織が暗躍する形で、登場人物たちが巻き込まれる姿が描かれています。
アイオーン・シリーズ：複数の作品で世界観を共有し、壮大な物語が展開されました。

アニメ化作品

アトリエかぐやの作品は、アダルトアニメとしても人気を博しています。

ミルキーレーベル：『最終痴漢電車』、『女教師』、『恥辱診察室』など
ピンクパイナップル：『姉汁』、『家庭教師のおねえさん』、『マジカルウィッチアカデミー』など
その他：『肉牝R30』、『しゃぶら♥レンタル』など

アトリエかぐやは、エロティシズムを追求した作品を通じて、アダルトゲーム業界に独自の足跡を残しています。今後の展開にも注目が集まります。

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