アドバンス・ロジスティクス投資法人

アドバンス・ロジスティクス投資法人：概要と歴史

アドバンス・ロジスティクス投資法人は、東京証券取引所に上場していた投資法人（J-REIT）です。物流施設への投資を専門としており、伊藤忠商事と伊藤忠都市開発がスポンサーとして事業を支えていました。2024年11月1日、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人への吸収合併により、その歴史に幕を閉じました。

事業内容と投資戦略

同法人の主な事業は、物流施設への投資と運用でした。資産運用会社は伊藤忠リート・マネジメント株式会社（伊藤忠商事80%、伊藤忠都市開発20%出資）が担っていました。投資対象の約8割を物流施設が占め、その地理的な偏りは関東と関西地域が7割を占めるという特徴がありました。

特に、伊藤忠グループが開発を手掛けた「アイミッションズパーク」シリーズの物流施設を多数保有していました。これは、スポンサーとの強固な関係性を示すものであり、同法人の投資戦略の重要な柱となっていました。2021年4月1日時点での保有物件数は12物件、取得価格の合計は1114億2200万円にのぼりました。

設立から解散まで

アドバンス・ロジスティクス投資法人の歴史は、2018年5月1日の設立に始まります。当初は「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人」という名称でしたが、2022年6月1日に現在の名称に変更されました。同年9月7日には東京証券取引所への上場を果たし、投資家からの資金調達を円滑に行っていました。

しかし、2024年10月30日に上場廃止となり、翌11月1日には三井不動産ロジスティクスパーク投資法人との合併が完了し、法人としての活動を終了しました。この合併は、事業規模の拡大や経営効率の向上といった戦略的な目的で行われたものと考えられます。

主要な保有物件

アドバンス・ロジスティクス投資法人が保有していた主な物件は、すべて「アイミッションズパーク」シリーズの物流施設でした。具体的には以下の通りです。

アイミッションズパーク厚木（神奈川県厚木市）
アイミッションズパーク柏（千葉県柏市）
アイミッションズパーク野田（千葉県野田市）
アイミッションズパーク守谷（茨城県つくばみらい市）
アイミッションズパーク三郷（埼玉県三郷市）
アイミッションズパーク千葉北（千葉県千葉市）
アイミッションズパーク印西（千葉県印西市）
アイミッションズパーク守谷2（茨城県つくばみらい市）
アイミッションズパーク柏2（千葉県柏市）
アイミッションズパーク印西2（千葉県印西市）
アイミッションズパーク東京足立（東京都足立区）
アイミッションズパーク三芳（埼玉県入間郡三芳町）

これらの物件は、関東圏を中心に立地しており、高い需要が見込まれるエリアに集中していたことがわかります。

まとめ

アドバンス・ロジスティクス投資法人は、伊藤忠グループをバックボーンに持つ、物流施設に特化したJ-REITとして一定の成功を収めました。しかし、2024年の合併により、その歴史に幕を閉じました。その存在は、日本の物流不動産市場における投資戦略の一つの事例として、記憶されることになるでしょう。 今後、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人における、同社の資産とノウハウがどのように活用されていくのか、注目されます。

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