アナランデル郡 (メリーランド州)

アナランデル郡について

アナランデル郡（Anne Arundel County）は、アメリカ合衆国メリーランド州に位置し、ボルチモア市の南に広がる地域です。2020年の国勢調査によると、人口は約58万8,261人であり、郡庁所在地であるアナポリス市は同郡内で最大の都市となっています。アナポリス市自体の人口は約38,394人と報告されています。また、グレンバーニーという国勢調査指定地域もあり、ここは6万7,639人の住民を有しています。郡名の由来は、メリーランド州植民地の領主であるセシリウス・カルバート男爵の妻、アン・アランデルにちなんで命名されたものです。

歴史的背景

アナランデル郡の歴史は1660年代にまでさかのぼります。当初はメリーランド植民地のセントメアリーズ郡に属していましたが、1650年に新たな郡として分離しました。名称は、アンが第2代ボルチモア男爵セシリウス・カルバートと結婚した1627年または1628年に由来しています。この地域はイングランド内戦の最中、1655年に「セバーンの戦い」という戦闘が行われた地でもあり、ウィリアム・フラー指揮の共和国支持軍が勝利を収めました。

1694年から1695年にかけて、かつての首都がセントメアリーズシティからアナポリスに遷都されました。アメリカ独立戦争の際には、アナランデル郡民は大陸軍に多くの連隊を提供し、地域の重要性を示しました。さらに1830年には、ボルチモア・アンド・オハイオ鉄道の初の定期列車運行が始まり、アナランデル郡に新たな交通網を提供しました。

地理と自然

アナランデル郡は、ボルチモア市の南に位置し、郡は587.90平方マイル（約1,522.7km²）の面積を持ちます。陸地は415.94平方マイル（約1,077.3km²）、水域は171.96平方マイル（約445.4km²）で、全体の約29.25%が水で覆われています。自然環境は非常に豊かで、チェサピーク湾の美しい海岸線が特徴的です。多くの川や湾があり、特にマゴシー川やセバーン川などが重要な水路となっています。

交通インフラ

アナランデル郡内には、ボルチモア・ワシントン国際サーグッド・マーシャル空港があり、これはボルチモア都市圏の主要な空港として機能しています。また、郡にはマーク（Marc）通勤鉄道やライトレールも走っており、ボルチモア市とダイレクトに接続されています。国道と州道が複雑に入り組んでおり、交通アクセスも非常に便利です。

文化とレクリエーション

アナランデル郡は多様な文化、教育機関、歴史的なスポットを有しています。地元の新聞には「ザ・キャピタル」や「メリーランド・ガゼット」があり、地域のニュースを提供しています。また、アナポリスにはアメリカ海軍兵学校やセントジョンズ・カレッジなどの高等教育機関が存在します。

レクリエーションの面では、サンディポイント州立公園やアナランデル郡のレクリエーションと公園部が提供する多くの屋外施設があります。地域のイベントや祭りも盛況で、特にメリーランド・ルネッサンス祭は多くの訪問者で賑わいます。

人口動態と政治

アナランデル郡は1965年以降、チャーター政府形態を採用しており、郡政委員会と郡執行官によって運営されています。政治的には、共和党が強い支持を受けており、登録有権者の数では民主党がわずかに多い状況です。近年の選挙では共和党が多数を占めることが多く、地域の政治に影響を与えています。

このようにアナランデル郡は、歴史、文化、地域振興の面で独特の魅力を持っている地域です。

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