アニメーション21

アニメーション21：幻のアニメ制作会社

アニメーション21は、1991年に設立され、短期間で解散したアニメ制作会社です。その短い活動期間にも関わらず、いくつかの作品を手がけ、業界に足跡を残しました。本記事では、アニメーション21の設立の経緯、制作作品、関わった人々、そして解散に至るまでの経緯を詳細に解説します。

設立の経緯

アニメーション21は、元テレビ朝日プロデューサーで映像企画会社・STAFF21の代表取締役社長を務めていた菅野てつ勇（菅野哲夫）によって、STAFF21の子会社として設立されました。菅野は、自身がプロデュースした『ダッシュ!四駆郎』で総監督を務めた笹川ひろしにアニメスタジオ設立の相談を持ちかけました。笹川の伝手でベテラン演出家の原征太郎をはじめ、竜の子プロダクションOBの栃平吉和が率いていたスタジオユニコーンと杉井興治（杉井ギサブローの実弟）が所長を務めていたタツノコアニメ技術研究所のメンバーが加わり、東京都中野区に本社兼スタジオを構えて事業を開始しました。

事業の展開と終焉

設立後、アニメーション21はOVAやテレビアニメを元請として次々に受注し、経営は順調な滑り出しを見せました。しかし、『お〜い!竜馬』の制作が難航し大幅な赤字を出すことになります。続く『ポコニャン!』では、苦境の中で全話数を制作して納品したものの、給料の遅配やスタジオ移転縮小を余儀なくされるほど経営は悪化しました。バブル崩壊の影響もあって立て直しもままならず、『ポコニャン!』の制作を最後にスタジオは解散となり、設立から僅か3 - 4年程でSTAFF21と共に事実上の倒産に追い込まれました。

栃平吉和によれば、『しましまとらのしまじろう』はアニメーション21で企画が進められていましたが、経営難のために練馬スタジオを改組・設立したスタジオ旗艦に企画が移譲されたとのことです。同作は1993年に放送開始され、ロングラン作品となりました。

主な作品

アニメーション21が制作を手がけた主な作品は以下の通りです。

テレビアニメ

燃えろ!トップストライカー
お〜い!竜馬
ポコニャン!

OVA

女郎蜘蛛

これらの作品は、いずれも笹川ひろしが総監督を務めています。

関連人物

アニメーション21には、多くのアニメーターや演出家が在籍していました。主な人物としては、以下のような人々が挙げられます。

笹川ひろし（総監督）
原征太郎（演出）
香川豊（アニメーター）
橋本勝己（アニメーター）
栃平吉和（制作）
杉井興治（制作）
* 徳山光俊（企画）

解散後

アニメーション21解散後、所属スタッフの一部は、イマジンに移籍しました。また、栃平吉和と草野啓二は独立し、スタジオ旗艦（現：スタジオ サインポスト）を設立しました。杉井興治はアニメ制作用品会社を設立し、業界の一線を退きました。徳山光俊は笹川ひろしの紹介でタツノコプロ企画室に移籍しています。

まとめ

アニメーション21は、短期間で解散したアニメ制作会社ですが、その短い活動期間中に、いくつかのアニメ作品を制作し、業界に足跡を残しました。また、多くのアニメーターや演出家が在籍し、その後のアニメ業界を支える人材を輩出しました。アニメーション21の歴史は、日本のアニメーション業界の歴史の一断面を物語るものと言えるでしょう。

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