アヌルッダ相応

アヌルッダ相応とは

「アヌルッダ相応」（アヌルッダそうおう、巴: Anuruddha-saṃyutta）は、パーリ仏典に収められている相応部の第52相応です。この経典は、様々な教えが集められており、それによって仏教徒における修行や心の働きについての理解を深めるための重要な指針となっています。漢訳では「阿那律相応」とも呼ばれています。

構成について

アヌルッダ相応は、全体で2つの品、合計24の経から構成されています。各経は、異なるテーマや教えを持ち、仏教の教えを実践する上で重要なポイントを提示しています。

Cāpāla-vaggo（第一品）

第一品のCāpāla-vaggoは、全10経から成り立っています。ここでは、心の状態や意識の変容に関する経文が中心に扱われており、瞑想や精神的な集中に関する洞察が提供されています。具体的には、次の経典が含まれています：

1. Paṭhama-rahogata-sutta
この経文では、孤独の中での心のあり方について説かれています。

2. Dutiya-rahogata-sutta
孤独における内なる自己の探求がテーマです。

3. Sutanu-sutta
知恵と理解に関する教えが記されています。

4. Paṭhama-kaṇḍakī-sutta
瞑想の深化について論じています。

5. Dutiya-kaṇḍakī-sutta
別の観点からの瞑想についての解説があります。

6. Tatiya-kaṇḍakī-sutta
瞑想の経験をさらに深く掘り下げています。

7. Taṇhakkhaya-sutta
欲望の克服に関する教えです。

8. Salaḷāgāra-sutta
精神的な自由に向かう過程について扱います。

9. Ambapālivana-sutta
思考はどのように進化するかを示しています。

10. Bāḷhagilāna-sutta
精神の健康とバランスについての教えです。

Dutiya-vaggo（第二品）

第二品のDutiya-vaggoは、全14経を含んでおり、さらなる深い洞察を提供します。この品では、特に神秘的な力量や心の働きについての経が多く、次の経典が含まれています：

1. Kappasahassa-sutta
時間の概念とその意味についての考察です。

2. Iddhividha-sutta
妙なる能力に関する教えです。

3. Dibbasota-sutta
超越的な聴覚の理解を探ります。

4. Cetopariya-sutta
心の状態による変化について述べています。

5. Ṭhāna-sutta
場所や状況に応じた心の在り方を探求します。

6. Kamma-samādāna-sutta
行動と結果の関係について教えています。

7. Sabbatthagāmini-sutta
全ての場所における心の一貫性について論じています。

8. Nānādhātu-sutta
多様な要素が心に与える影響について説明します。

9. Nānādhimutti-sutta
多様な解放の方法に関する教えです。

10. Indriya-paropariyatta-sutta
知覚や感覚の関係について扱います。

11. Jhānādi-sutta
定の状態についての洞察が含まれています。

12. Pubbenivāsa-sutta
前世の記憶についての教えです。

13. Dibbacakkhu-sutta
超感覚的な視覚の理解を探ります。

14. Āsavakkhaya-sutta
偏見や煩悩の克服に関する教えです。

参考文献

「アヌルッダ相応」は、日本では「南伝大蔵経・経蔵・相応部経典6」（第16巻下）大蔵出版や、「原始仏典II 相応部経典6」中村元監修によっても広く知られています。これらの資料は、アヌルッダ相応の内容を深く理解するための手助けとなるでしょう。

外部リソース

さらに詳しい情報を得たい方は、Tipitaka.orgにアクセスすることで、アヌルッダ相応に関する原典や解説を確認できます。

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