アネックスツール

アネックスツール株式会社（ANEXTOOL CO.,Ltd.）は、新潟県三条市に本社を構える工具製造販売会社です。主力ブランドである「Anex」のドライバーは、その高品質とデザイン性で知られています。

概要

アネックスツールは、素材の選定から製造までを一貫して自社で行うことにこだわりを持っています。創業当初は木製の柄が付いたマイナスドライバーを製造していましたが、高度経済成長期にはミシンや農業機械の付属用ドライバーの量産化に成功し、事業を拡大しました。この時期には「CLOVER（クローバー）」ブランドとして製品を展開していました。

二代目社長は、学生時代に画家から絵画を学んだ経験を持つほどの芸術愛好家でした。そのデザインへのこだわりが、現在のアネックスブランドの誕生につながり、海外の有名ブランドであるPBスイスツールズやウェラのドライバーと並ぶ高級ドライバーへと成長させました。現在では、そのノウハウを六角棒レンチやハンマーにも応用し、製品ラインナップを拡大しています。商品開発においては、社長自らがラフデザインを手掛け、デザイン事務所と商品コンセプトを決定し、社内プロジェクトを立ち上げるという独自のスタイルを貫いています。この徹底した商品開発への姿勢が、高級ブランドとしての地位確立と社内人材育成に大きく貢献し、2013年までグッドデザイン賞を29年連続で受賞するという偉業を達成しました。

創業時のブランド名「CLOVER（クローバー）」には、中小企業が雑草のように踏みつけられても、たくましく根強く繁栄するようにとの願いが込められていました。一方、「ANEX（アネックス）」ブランドは、1985年頃に現社長が「KANEKO」という名前を活かして誕生させました。「ACTION・NICE・EXCELLENT（行動しよう、より良く、より素晴らしく）」という想いが込められています。

販売ルートが金物店からホームセンターへと変化するにつれて、ラチェットドライバーや電動工具用の高機能ビットの開発に注力しました。現在では、「ドライバー」と「ビット」の生産本数がほぼ同数となっています。

沿革

1949年（昭和24年）10月 - 兼古秀夫氏が個人経営で兼古製作所を創業。ねじ回しの生産を開始。
1954年（昭和29年）3月 - 株式会社組織に変更し、株式会社兼古製作所として発足。
1956年（昭和31年）3月 - 三条市興野に工場を新設。
1965年（昭和40年）12月 - 通商産業大臣よりJIS表示許可工場の認定を受ける。
1968年（昭和43年）9月 - マイナスドライバーの自動冷間鍛造技術の開発により科学技術庁長官賞を受賞。
1975年（昭和50年）3月 - 三条金属工業団地へ進出。
1984年（昭和59年）10月 - ラチェットドライバーがグッドデザイン賞を受賞。
1987年（昭和62年）3月 - 兼古耕一氏が代表取締役に就任。
1992年（平成4年）7月 - チタンブレードドライバーがアメリカズカップ『ニッポン』艇に搭載。
1995年（平成7年）
7月 - 本社工場を新築、移転。
9月 - インパクトドライバーがグッドデザイン中小企業庁長官特別賞を受賞。
2003年（平成15年）9月 - 福岡営業所を開設。
2006年（平成18年）4月 - 産業財産権制度活用優良企業等表彰で経済産業大臣表彰を受ける（意匠活用優良企業）。
2022年（令和4年）11月1日 - アネックスツール株式会社に社名変更。兼古敦史氏が代表取締役に就任。

主な商品

ドライバー
六角棒レンチ
ハンマー
ピンセット

脚注

参考文献

『工具の達人』 講談社 2007年発行
『TOOLS NOW 道具大全』 美術出版社 1997年発行
『工具の本 2009』 学習研究社 2009年3月発行

関連項目

工具メーカーの一覧
工具
タミヤ - タミヤブランドのドライバーを同社が製造している。

外部リンク

アネックスツール
* アネックスツール - YouTubeチャンネル

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