アノマロケリス

アノマロケリスについて

アノマロケリス（学名：Anomalochelys）は、約9,500万年前の白亜紀後期に存在した陸生のカメの一種です。このカメは、爬虫類の仲間であるカメ目に属し、さらに潜頸亜目に分類されています。その名は「奇妙なカメ」という意味を持ち、特異な形状の甲羅が特徴的です。

形態的特徴

アノマロケリスの甲羅の長さはおよそ70センチメートルで、現在知名度が高いのは主にその甲羅の化石のみです。このカメの大きな特長は、頭部の両脇に棘状の突起が存在することです。この突起は、前方へと鋭く伸びており、学名の由来にもなっています。これを基に推測されるのは、ナンシュンケリスという近縁種との比較から、アノマロケリスもまた大きな頭を有していた可能性が高いということです。

面白い点は、アノマロケリスが潜頸亜目に所属しながらも、頭を甲羅の内側に隠すことができなかった点です。これにより、前方に伸びた棘は代替手段として、頭部を外敵から守るために進化したと考えられています。このようなユニークな生態は、アノマロケリスがどのように捕食者から身を守っていたのかを興味深くさせます。

分布

アノマロケリスの化石は日本の北海道穂別町（現在のむかわ町）の蝦夷層群から発見されています。この地域は白亜紀の古代の環境を保存しており、さまざまな古生物の化石が見つかる場所でもあります。また、アノマロケリスと同じような生態を持つ近縁種の化石は、東アジアや北アメリカでも発見されています。

これらの地域は、当時の環境や気候条件がアノマロケリスの生息に寄与していたことを示しており、様々な生物が共存していたことが伺えます。

関連情報

アノマロケリスは、同じ時代に存在した他のカメとも比較されることがあります。特にプレシオケリス科のカメたちは、ヨーロッパで繁栄しており、様々な形態を持つ大型のカメが含まれています。中には甲長が1メートル以上に達する種や、特異な二次口蓋を持つものも存在しています。これらのカメたちも、同時代の生態系において重要な役割を果たしていたと考えられています。

参考文献

• - 平山廉『恐竜の謎』小田隆（復元画）、ナツメ社〈図解雑学〉、2002年。
• - 平山廉『カメのきた道 甲羅に秘められた2億年の生命進化』小田隆（画）、日本放送出版協会〈NHKブックス〉、2007年。

アノマロケリスは、その独特な形態から多くの研究者の興味を引いており、今後も進化の歴史や生態に関する理解が深まることが期待されます。

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