アバディーン (ワシントン州)

アバディーンの概要

アバディーン（Aberdeen）は、アメリカ合衆国ワシントン州のグレイズハーバー郡にある市で、2020年の人口は1万7013人です。市は郡の中心地ではないものの、グレイズハーバー郡における最大の都市として位置付けられています。隣接するホークィアムやコスモポリスと共に、地域の経済の中核を担っており、そのことから「オリンピック半島への入口」とも呼ばれています。さらに、音楽の在り方を変えたバンド「ニルヴァーナ」のメンバー、カート・コバーンとクリス・ノヴォセリックの出身地でもあり、アバディーンは「グランジのふるさと」としても知られています。

また、アバディーン港は映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』に登場する船のレプリカの母港であり、観光地としての顔も持っています。

歴史

アバディーンは、1884年にサミュエル・ベンによって設立され、1890年には正式な市に昇格しました。名付けの由来は、地元のサケの缶詰工場がスコットランドのアバディーン市に似ていたことから来ています。設立当初は、近隣のホークィアムやコスモポリスに遅れを取っていましたが、製材業が発展し始めたことで、市としての成長が見られました。

ノーザン・パシフィック鉄道の延伸計画が持ち上がると、アバディーンはそのターミナルになることを期待されましたが、鉄道はコスモポリスを通過してオコスタに向かい、最初の数年間は発展が妨げられました。市民たちは協力し、1895年にアバディーンへ鉄道が敷設され、町の発展に寄与しました。

20世紀初頭には賑やかな酒場やカジノで賑わいましたが、同時に低迷する治安問題も抱えていました。特にビリー・ゴールという悪名高い犯罪者は、多くの殺人を犯したとして知られています。1929年の世界恐慌によって製材所は激減し、経済が大打撃を受けました。70年代に入ると、木材資源が枯渇し、アバディーンの製材業は衰退しました。

今日でも、漁業と製材業に支えられた地域経済は続いており、新たな産業の多様化が試みられていますが、依存度は依然として高い状況です。

地理と気候

アバディーンは、北緯46度58分33秒、西経123度49分7秒に位置し、総面積は31.5km²です。この中で27.5km²が陸地、4.0km²が水域で、全体の水域は約12.7%に相当します。市自体はオリンピック半島の南西の付け根にあり、背後は山々に囲まれています。これにより、大都市が発展しにくい地形となっています。

気候は温暖な冬と冷涼な夏が特徴的であり、降水量は多いものの乾燥度はカリフォルニアとは異なり適度です。年間降水量は1900mmを超え、特に冬季には降水量が大きくなります。

出身者

アバディーンは音楽界でも一時代を築いた場所であり、元ニルヴァーナのメンバーであるカート・コバーンやクリス・ノヴォセリックが育った地としても有名です。彼らはアバディーンで出会い、後に世界的な影響を持つバンドを結成しました。

まとめ

アバディーンはその歴史や地形、音楽文化において独自の特長を持つ都市です。現在でも地域経済は漁業や製材業に依存しつつも、新たな成長を模索し続けています。

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