アビス・ホライズン

アビス・ホライズン

『アビス・ホライズン』は、中国の重慶煜顔文化伝播有限公司（shinecolor）が開発したアクションRPGで、iOSおよびAndroid向けに提供されます。このゲームは、艦船を擬人化したキャラクターたちを操作し、敵を撃破することを目的としています。日本では2018年6月28日にサービスが開始されましたが、2021年2月19日に終了しました。中華圏における略称は「艦A（舰A）」です。キャッチコピーは「キミはまだ本物の海戦を知らない」です。

ゲームの背景

本作は日本のブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』の成功を受け、多くの艦船擬人化ゲームが中華圏で制作される流れの中で生まれました。2016年には、京東商城でのクラウドファンディングを通じて開発資金が集まった「艦隊2次元」が本作の前身となります。また、ゲームの設定やシナリオでは、日本のライター集団Qualiaによる協力が行われました。

ゲームプレイ

アビス・ホライズンは「艦隊アクションRPG」というジャンルに分類され、プレイヤーは美少女キャラクター「艦姫」を操作して、侵略を行う敵キャラクターと戦います。ゲーム内には、プレイヤー同士が協力して巨大なボスを討伐する「討伐モード」や、集めた艦姫をAR技術で鑑賞できるモードもあります。

艦姫は実在の各国海軍の艦船を基にデザインされており、第二次世界大戦や冷戦、さらには21世紀の艦船や海賊船まで多様なデザインが見られます。舞台設定は「並行世界からの侵略を受けた近未来」で、歴史に基づいたものではありません。

リリースと運営

本作は、開発段階から日本の声優がキャスティングされ、日本語音声が収録されています。日本での初回リリースは上海晨之科が行っていましたが、後に運営権はshinecolorが設立した煜顔国際有限公司に譲渡されました。中国でのリリースは日本版から遅れ、およそ2年後の2020年7月23日に始まりました。さらに、台湾や韓国、英語版もそれぞれ運営されましたが、最終的には全ての版が2021年までにサービスを終了しました。

世界観

物語は20XX年の重イオン衝突実験中に起こった事故が原因で、多元並行世界「アビス」へ繋がる次元の裂け目が生じ、そこから流入した海水によって地球が水没する大惨事が引き起こされるところから始まります。海水とともに流入したエネルギー「ヴォイド」が海洋生物を変異させ、異形の生命体「アビソール」が誕生し、地上への侵略を始めます。

世界各国の科学者たちは、アビソールに対抗するために「姫艦装甲」を開発し、その適合者として少女たちが召集されます。彼女たちが「艦姫」となり、アビソールとの熾烈な戦いが繰り広げられます。

キャラクターと艦船

本作には多くの艦姫が登場し、各国海軍の艦船をモデルにしたキャラクターたちがプレイヤーを待ち受けています。大日本帝国海軍やアメリカ海軍、ドイツ海軍など、多様な艦船が艦姫として登場します。また、アビソールの中でも特に知能が高い個体を「鬼姫」と呼び、艦姫はこの鬼姫の技術を基に開発されます。

ゲームには多様なキャラクターと共に、独自の戦闘や集める要素があり、プレイヤーが楽しめる仕掛けが盛り込まれています。

著作権問題

サービス開始から『艦これ』との類似性が指摘され、著作権に関する法的な問題が発生しました。セガとC2が配信差し止めを求める仮処分を申請する中で、旧運営のMTJはその正当性を主張しましたが、最終的に2018年にMTJは運営から撤退し、2019年にはその後の経緯に関する詳細も報告されています。

このように、アビス・ホライズンは多国籍のキャラクターとダイナミックな戦闘要素を持つゲームであり、多くのファンに支持されながらも様々な挑戦に直面した作品であったと言えます。

もう一度検索