アフガニスタンの教育

アフガニスタンの教育

アフガニスタンの教育は、20世紀において幾多の変遷を辿ってきました。ザーヒル・シャー国王の治世（1933年 - 1977年）には、教育の近代化が図られ、全国の児童の半数が初等教育を受けるようになり、中学校制度の拡充、カーブル大学の創設など、教育機会の拡大が積極的に進められました。しかし、これらの改革にも関わらず、1979年時点での国民の文盲率は90％に及んでおり、大きな課題として残されました。

1979年のソ連侵攻は、アフガニスタンの教育システムに壊滅的な打撃を与えました。絶え間ない戦闘により教育施設は破壊され、多くの教師が国外に逃れる事態となりました。1990年代半ばには、国内で機能している学校はわずか650校にまで減少しました。さらに、1996年にタリバン政権が発足すると、女性への教育が禁止され、マドラサ（イスラム教の学校）が教育の中核を担うようになりました。

2001年にタリバン政権が崩壊した後、アフガニスタン暫定政権は、国際社会からの支援を受け、教育システムの再建に力を注ぎました。2003年の時点では、約7,000校が開設され、全国34州のうち20州で教育が実施されるようになり、27,000人の教員と420万人の学生（うち女子学生は120万人）が教育を受けていました。小学校には390万人が在籍していました。また、2002年にはカーブル大学が再開され、24,000人の学生が入学し、その他にも5つの大学が再開されました。タリバン政権崩壊後、学校では宗教の授業も実施されていますが、その内容については教師の裁量に委ねられているのが現状です。

しかしながら、2003年現在においても、男性の57％、女性の86％が文盲であると推測されており、教育を受けた労働者の不足が、アフガニスタンの経済発展を阻む大きな要因となっています。教育は国家の発展の基盤となる重要な要素であり、アフガニスタンの教育制度は、数々の困難を乗り越えながら、再建への道を歩んでいます。

関連項目

* 教育

もう一度検索