アフガニスタン国空軍

アフガニスタン国空軍（AAF）は、アフガニスタン・イスラム共和国が保有する空軍部隊であり、アフガニスタン国軍の一部を構成していました。AAFは、カーブルの第1航空団、カンダハールの第2航空団、シーンダンドの第3航空団、そしてアフガニスタン北部のマザーリシャリーフに位置する第4航空団という、4つの航空団から編成されていました。空軍の最後の参謀長はモハマド・ドーラン中将であり、カーブル陥落前の最後の空軍司令官はアブドゥル・ファヒム・ラミン中将でした。AAFの司令部は、カーブルのハーミド・カルザイ国際空港に置かれていました。また、主要な訓練施設としては、ヘラート州のシーンダンド空軍基地が利用されていました。

歴史

AAFの起源は、1919年に国王アマーヌッラー・ハーンの治世下で設立された王室アフガニスタン空軍にまで遡ります。その後、1960年代にはザーヒル・シャー国王によって大幅な近代化が行われました。1980年代には、ソビエト連邦がアフガニスタン侵攻を機に、ムジャヒディン勢力を抑え込むために強力なアフガニスタン空軍の設立を支援しました。当時、AAFは200機以上のソ連製戦闘機を含む、400機以上の航空機を保有していました。しかし、1992年のムハンマド・ナジーブッラー政権の崩壊とそれに続く内戦によって、AAFの戦力は大幅に低下し、航空機の数は12機未満にまで減少しました。2001年後半の不朽の自由作戦で旧タリバン政権が崩壊した際には、AAFに残っていたのはわずかな数のヘリコプターのみでした。

2007年以降、NATO統合空軍移行部隊（CAPTF、後にNATO航空訓練司令部-アフガニスタン、NATC-Aに改称）が、AAFの再建と近代化に尽力しました。CAPTF/NATC-Aは、合同安全保障移行司令部-アフガニスタン（CSTC-A）の航空部隊として機能し、アフガニスタン軍の組織化に貢献しました。2021年時点で、AAFは約183機の航空機と7,000人以上の空軍兵を擁していました。確固たる支援ミッションを通じて、AAFは兵力を8,000人まで増強し、より高度な航空機の導入を目指していました。

しかし、2021年夏にNATO軍が撤退すると、AAFはタリバンによる大規模な攻撃に直面し、その機能は大きく損なわれました。カーブル陥落とアシュラフ・ガニー大統領の国外逃亡は、AAFの崩壊をさらに加速させました。多くの空軍兵が国外に逃れたり、タリバンの前に降伏したりし、多くの航空機が破壊または鹵獲されました。その他、相当数の航空機は近隣諸国へと避難しました。ウズベキスタンのテルメズ空港には、46機の航空機（固定翼機22機とヘリコプター24機）が到着したと報告されています。ガニー大統領の脱出後、残りの空軍兵は持ち場を放棄し、AAFは事実上、その機能を停止しました。

AAFの歴史は、数々の変遷を経てきました。王室空軍としての創設から、ソ連の支援による拡大、内戦による衰退、そしてNATOの支援による再建。しかし、2021年の出来事は、AAFの歴史における大きな転換点となりました。

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