アフマディーヤ

アフマディーヤの概要

アフマディーヤは、インド・パンジャーブ州で生まれたイスラーム改革運動で、ミルザ・グラーム・アハマド（1835年 - 1908年）が創始しました。1889年、彼は自らをメシア及びマフディー（救世主）として名乗り、その教えはスンナ派におけるイスラームの伝統と異なる点があります。これにより、アフマディーヤは自らをスンナ派の一分派と見なしていますが、教義の違いから異端視され、迫害を受けることが多いのです。

教団の歴史

アフマディーヤ運動は1889年に設立され、その後、ミルザ・グラーム・アハマドの死後はカリフ制へと移行しました。1947年のパキスタン分離後、多くの信者が迫害を逃れて移住し、1974年には非イスラムと見なされる運命を迎えました。1984年にはムスリムとしての権利を強く制限され、その結果、アフマディーヤの本部はイギリスに移転されました。

現在、第5代カリフのミルザ・マスルール・アハマドが指導者としてコミュニティを導いています。アフマディーヤは、他の多くのイスラーム教徒とは異なり、宗教的戦争を非難し、道徳や平和の再建を目指すことに重点を置いています。彼らは、神がミルザ・グラーム・アハマドを送り込んだと信じ、この改革が真のイスラームの復興を促すものと自負しています。

教義の特徴

アフマディーヤの信仰は、大きく分けてイスラームの基本的な教義に基づいています。特に、神の存在、預言者たちの教え、および啓典の重要性を強く認識しています。具体的には、彼らはアラビア語の「アハマド」を元にした名前を持ち、これが高い称賛の意を含むといいます。さらに、彼らはイエスの再臨について独自の解釈を持ち、ミルザ・グラーム・アハマドがその役割を担ったと信じています。

コミュニティの教えは、特に平和、愛、誠実さに重点を置いています。そして、六つの信条（六信）と五つの柱を受け入れ、ムハンマドを最後の預言者として認識しながらも、新しい啓示や預言者の出現を受け入れる形を取っています。

現在の活動と国際的な展開

アフマディーヤは国際的に広がり、現代では209カ国以上に信者がいます。彼らは非常に強力な宣教活動を展開しており、特にアフリカや南アジアにその拠点が集まっています。世界中の信者数はおおむね1000万から2000万と推定され、活動は活発です。

アフマディーヤは特に文学や教育を通じてメッセージを広め、高度な宣教師制度を整備するなど、現代の宗教改革派としての地位を築いています。日本でも1935年に神戸に支部を設け、現在は名古屋に本部を置いて活動を続けています。日本最大級のモスクも津島市に完成させ、地域社会への貢献を目指しています。

結論

アフマディーヤ教団は、伝統的イスラームの枠組みの中で独自の道を歩みながら、さらなる宗教的理解と平和の確立を目指しています。彼らの活動や考え方は、現代社会においてもその存在感を増しています。

もう一度検索