アフリカーナー抵抗運動

アフリカーナー抵抗運動（AWB）

アフリカーナー抵抗運動、通称AWB（Afrikaner Weerstandsbeweging）は、南アフリカ共和国における極右の政治組織であり、1973年に創設されました。本部は南アフリカのヴェンダースドルプに位置しています。2020年時点では、ステイン・ヴァン・ロンゲがリーダーとして君臨しています。

設立の背景

AWBは、元警察官のユージン・テレブランシュが中心となり、数人の同志でスタートしました。彼らは当初、ボーア人のみで構成された独立した国家を目指して活動を始めました。しかし、1970年代から1980年代にかけて、アパルトヘイト政策の見直しに強く反対し、リベラル派による集会に対して暴力的な衝突を繰り返しました。このような過激な行動は、AWBが特異な存在となる要因となりました。

アパルトヘイト政策との対立

1980年代には、南アフリカにおけるアパルトヘイト政策の見直しに向けた社会的な動きが広がっていました。AWBはこれに対抗する形で、様々な過激な活動を展開しました。特に警官隊との銃撃戦や、主要な都市の集会に対する襲撃など、恐れられる存在として知られるようになりました。それでも、同時に貧困層の白人家庭への食料援助など、彼らの活動には一部で支持された面も見受けられました。

多民族選挙とその後の活動

1990年代半ばには、多民族による選挙が行われることが決定的になり、アパルトヘイト政策の終焉が迫っていました。しかしAWBは、この変革を阻止しようとする大規模な抵抗を宣言し、より過激化した活動を展開しました。特に1994年にはボプタツワナ併合に反対し、銃撃事件を引き起こしましたが、それに伴う内部の混乱により、その勢いが次第に衰えていきました。

現在のAWBとその影響

2020年現在でも、AWBの活動は続いています。近年では、ソーシャルメディアを活用し、Facebookでのグループ設立など新たな形での存在感を示しています。2010年には創設者ユージン・テレブランシュが農場で殺害されるという事件が発生しましたが、AWB自体はその後も活動を続けています。

エンブレムとシンボル

AWBが使用するエンブレムは、国家社会主義ドイツ労働者党のものと非常によく似ています。そのデザインには「ヤーウェ」や「666—アンチキリストに抵抗する姿勢」といった意味が込められているとされ、赤はイエス・キリストの血、白い円は「永遠の闘争」と「永遠の生命」を象徴していると解釈されています。このようなシンボルも、AWBの極右的な立場を表す重要な要素です。

まとめ

AFBは、その極端な主張と活動により、南アフリカにおける社会的な分断を助長してきました。彼らの行動は賛否が分かれるものの、南アフリカの歴史と文化に不可欠な存在として、今なおその影響を残しています。

もう一度検索