アフロ・キューバン・ジャズ

アフロ・キューバン・ジャズ

アフロ・キューバン・ジャズは、ビバップ（ハード・バップ）とキューバ音楽を融合させたラテンジャズの一種であり、ラテンジャズとほぼ同義に扱われることもあります。特に1940年代から1950年代にかけて、キューバ音楽の要素が色濃いジャズを指すことが多いです。

歴史

アフロ・キューバン・ジャズのルーツは、1930年代にDr. Obdulio Moralesが演奏を始めた頃に遡ります。1940年代には、キューバからの移民を通じてニューヨークに西アフリカのリズムが伝わり、アフロ・キューバンと呼ばれるラテン音楽の形態が生まれました。この音楽は、キューバやブラジルを含むラテンアメリカの土着宗教（ヴードゥー、サンテリアなど）とも深く結びつき、信仰の手段としても用いられました。このアフロ・キューバンの隆盛からサルサなどが派生し、互いに影響を与えながらラテン音楽は発展していきました。

1941年、キューバ出身のコンガ奏者であるマチートがマンボのバンドを結成した際、義兄弟でありビバップのトランペット奏者・編曲家であったマリオ・バウサがマンボにジャズの要素を取り入れました。これが現代のアフロ・キューバン・ジャズの始まりとされています。また、ビバップ・ジャズのトランペッターであるディジー・ガレスピーもラテン音楽に着目し、コンガ奏者のチャノ・ポソを迎え、ラテン・ジャズを発展させました。この過程で生まれた楽曲の一つが「マンテカ」です。

ハード・バップが流行すると、ケニー・ドーハムやハンク・モブレーらによってアフロ・キューバン・ジャズの人気はさらに高まりました。しかし、ハード・バップの全盛期が過ぎると、アフロ・キューバン・ジャズも次第に下火になっていきました。

アフロ・キューバン音楽は、キューバやプエルトリコでも広く普及し、ティト・プエンテやエディ・パルミエリなどによって演奏され、サルサの要素に取り入れられていきました。

アフロ・キューバン・ジャズは、ルンバ、ソン、マンボ、サルサ、メレンゲ、カリプソ、チャチャチャなど、多様なラテン音楽の要素を内包しています。

代表曲

キャラバン / デューク・エリントン
マンテカ / ディジー・ガレスピー
リカード・ボサノヴァ / ハンク・モブレー
Basheer's Dream / ケニー・ドーハム
アフロディジア / ケニー・ドーハム

関連人物

モンゴ・サンタマリア
ウィリー・ボボ
ディジー・ガレスピー

関連項目

ラテン・ジャズ
ブラジリアン・ジャズ
ラテン音楽
マンボ
サルサ (音楽)
ジャズ
ビバップ
ハード・バップ

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