アブタンディル・チリキシビリ

アブタンディル・チリキシビリは1991年3月18日、ジョージアのクヴェモ・カルトゥリで生まれました。182cmの身長を生かした柔道スタイルで、81kg級の選手として国際的に活躍しました。特に、左右両方の組手に対応できる点が彼の大きな特徴です。

初期のキャリアと成功

2010年、チリキシビリはヨーロッパジュニア柔道選手権で優勝。その勢いのまま、世界ジュニア柔道選手権でも優勝を果たし、若くしてその才能を開花させました。2011年には、ワールドカップ・トビリシでシニアの国際大会初優勝を飾り、着実に実績を積み重ねていきます。翌2012年も同大会で優勝したほか、ヨーロッパ柔道選手権では団体戦で優勝に貢献しました。

オリンピックと世界選手権

2012年のロンドンオリンピックでは、2回戦で敗退。しかし、その後はさらに力をつけ、2013年のグランドスラム・パリで2位、グランプリ・デュッセルドルフで優勝。ヨーロッパ選手権では個人戦と団体戦の両方で優勝を飾りました。同年、世界柔道選手権では決勝に進出しましたが、フランスのロイク・ピエトリに敗れ、2位に終わりました。

2014年はチリキシビリにとって飛躍の年となりました。グランドスラム・パリで優勝、ヨーロッパ選手権では2連覇を達成。そして、世界柔道選手権では決勝でカナダのアントワーヌ・ヴァロア＝フォルティエを破り、ついに世界チャンピオンの座に輝きました。この年の活躍が評価され、IJF（国際柔道連盟）から、年間最優秀選手として5万ドルが贈呈されました。

ヨーロッパ競技大会とその後

2015年、バクーで開催されたヨーロッパ競技大会（ヨーロッパ選手権を兼ねる）で3連覇を達成。しかし、世界選手権では5位にとどまりました。同年、グランドスラム・東京では優勝を果たし、再び存在感を示しました。

2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、優勝候補の一人として期待されましたが、準決勝でロンドンオリンピックに続いてトラヴィス・スティーブンスに敗北。3位決定戦でも永瀬貴規に敗れ、5位という結果に終わりました。

90kg級への転向

その後、チリキシビリは階級を90kg級に変更。2018年にはグランプリ・ザグレブで優勝を果たしました。2019年7月15日現在、IJF世界ランキングは1470ポイントで37位となっています。

主な戦績

2009年 - ヨーロッパジュニア 3位
2010年 - ヨーロッパジュニア 優勝
2010年 - 世界ジュニア 優勝
2010年 - グランドスラム・東京 5位
2011年 - ワールドカップ・トビリシ 優勝
2011年 - ヨーロッパ選手権 団体戦 3位
2011年 - ワールドカップ・ブカレスト 優勝
2011年 - ワールドカップ・アピア 3位
2012年 - ワールドカップ・トビリシ 優勝
2012年 - ヨーロッパ選手権 個人戦 5位、団体戦 優勝
2012年 - グランドスラム・リオデジャネイロ 5位
2012年 - ワールドカップ・ブエノスアイレス 優勝
2013年 - グランドスラム・パリ 2位
2013年 - グランプリ・デュッセルドルフ 優勝
2013年 - ヨーロッパ選手権 個人戦 優勝、団体戦 優勝
2013年 - ワールドマスターズ 3位
2013年 - 世界選手権 2位
2013年 - グランドスラム・東京 3位
2014年 - グランドスラム・パリ 優勝
2014年 - ヨーロッパ選手権 個人戦 優勝、団体戦 優勝
2014年 - グランプリ・ハバナ 優勝
2014年 - 世界選手権 優勝
2014年 - 世界団体 3位
2014年 - グランドスラム・東京 3位
2015年 - グランプリ・デュッセルドルフ 2位
2015年 - ワールドマスターズ 3位
2015年 - ヨーロッパ競技大会 個人戦 優勝、団体戦 2位
2015年 - 世界選手権 5位
2015年 - グランドスラム・東京 優勝
2016年 - グランドスラム・パリ 優勝
2016年 - ヨーロッパ選手権 2位
2016年 - リオデジャネイロオリンピック 5位
90㎏級での戦績
2018年 - グランプリ・ザグレブ 優勝
2019年 - グランプリ・アンタルヤ 3位
2019年 - グランドスラム・アブダビ 3位

外部リンク

アブタンディル・チリキシビリ - JudoInside.com のプロフィール（英語）

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