アブデルカデル・ベンサラー

アブデルカデル・ベンサラー：アルジェリアの政治家、激動の時代を支えた重鎮

アブデルカデル・ベンサラー（1941年11月24日 - 2021年9月22日）は、アルジェリアの政治家、外交官です。国民議会議長、そして大統領代行を歴任し、アルジェリアの政治において重要な役割を果たしました。

生い立ちと初期のキャリア

1941年、フランス領アルジェリアのフェラウセーヌ（トレムセン周辺）で生まれました。1970年から1974年まで、彼はベイルートにあるアルジェリア情報文化センターで働き、その後アルジェリアに戻り、国営新聞「エルチャブ」でジャーナリストとして3年間活動しました。

政界での活躍

1977年、トレムセンの代表として選出され、政界入りを果たしました。1989年から1993年までサウジアラビア大使を務め、外交官としての経験も積みました。

アブデルアジズ・ブーテフリカ大統領の忠実な支持者であり、2019年に大規模なデモが発生し、ブーテフリカ大統領の退陣が迫られる中でも、彼の5選を支持しました。しかし、ブーテフリカ大統領は辞任し、アルジェリア憲法102条に基づき、7日間の大統領欠員を経て、2019年4月9日に大統領代行に就任しました。

大統領代行として

大統領代行として、ベンサラーは国の安定と移行期における政治的空白を埋めるという重責を担いました。しかし、その就任は、ブーテフリカ政権とのつながりから、一部国民からの正当性に対する疑問の声も上がりました。

晩年と死

2019年12月9日、アブデルマジド・テブン大統領から国家功労者勲章を授与されました。しかし、晩年は癌に苦しみ、2021年9月22日にアルジェのアイン・ナジャ軍事病院で新型コロナウイルスに感染し、79歳で亡くなりました。これは、元大統領ブーテフリカの死後わずか5日後のことでした。

死後

彼の死後、アルジェリアでは3日間半旗が掲げられ、ベンサラーはエルアリア墓地に埋葬されました。彼の死は、アルジェリアの政治史における一つの時代の終わりを象徴するものとして捉えられています。

アブデルカデル・ベンサラーは、アルジェリアの激動の時代において、その政治手腕を発揮し、国を支えた重要な人物として記憶されるでしょう。

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