アブド・アッラー (後ウマイヤ朝)

アブド・アッラー・ブン・ムハンマド・アルアマウィ（844年1月11日 - 912年10月15日）は、後ウマイヤ朝の第7代アミールとして888年から912年まで在位しました。

生涯

ムハンマド1世の息子であり、ムンジルの弟であったアブド・アッラーは、その治世において多くの困難に直面しました。同時代の歴史家からは、異母兄ムンジルの暗殺を企て、権力を掌握したという批判も存在します。しかし、政治への関心は薄く、狩猟や信仰に没頭する隠遁者のような生活を送っていたという見方もあります。

アブド・アッラーにとって最大の脅威は、イブン・ハフスーンの反乱でした。イブン・ハフスーンはレヨ（ボバストロを含む）、エルビラ（グラナダを含む）、ハエンといった都市を征服し、アルチドーナ、バエサ、ウベダ、プリエゴの住民と同盟を結びました。891年にはポレイ城の近くでイブン・ハフスーンを破りましたが、翌年には勢力を回復され、失った領土を奪還されました。

911年、アブド・アッラーはイブン・ハフスーンとの和平協定を結びましたが、翌年には再び争いが勃発。しかし、アブド・アッラーの死去により、この争いは中断されました。当初後継者と目していた息子ムハンマドは、兄弟のムタッリフによって殺害されていました。アブド・アッラーはムタッリフを処刑し、殺害されたムハンマドの息子、つまり孫にあたるアブド・アッラフマーン3世を後継者に指名しました。

子女

863年頃、パンプローナ王フォルトゥン・ガルセスとアウリアの娘であるオネカ・フォルトゥネスと結婚しました。オネカは880年以前に離婚し、おそらく父とともにパンプローナ王国に戻り、従兄弟であるララウン領主アスナール・サンチェスと再婚し、トダ・アスナーレスを含む3人の子供を産みました。そのため、トダはアブド・アッラフマーン3世の叔母にあたります。

アブド・アッラーには、以下に示す子供たちがいました。

ムハンマド・ブン・アブド・アッラー（864年 - 891年1月28日）：オネカ・フォルトゥネスの息子として記録されています。兄弟ムタッリフによって殺害されました。ムハンマドはムスナというバスクまたはフランク出身の女性と結婚し、アブド・アッラフマーン3世をもうけました。
ムタッリフ：895年に陰謀の疑いで告発され、殺害されました。
アバン
アル＝アシ：921年に陰謀の疑いで告発され、処刑されました。

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