ハエン

ハエンは、スペイン南部アンダルシア州に位置する都市で、同名のハエン県の県都です。県内では最大の人口を擁し、行政と産業の中心地として重要な役割を果たしています。ハエンは、化学製品、皮革製品、蒸留酒、クッキー、織物などの製造業が盛んな一方、スペイン有数のオリーブ産地としても知られ、「オリーブオイルの首都」とも呼ばれています。

ハエンの歴史は古く、8世紀にムーア人がイベリア半島を侵攻した際に、この地は「ジャイヤーン」と呼ばれ、商業都市として発展しました。この時代の名残として、ムーア人によって築かれた要塞や城砦が今も残されています。中でも、街を見下ろす高台にそびえ立つサンタ・カタリーナ城は、ムーア人の砦を拡張したもので、その存在感は圧倒的です。また、ビジャルドンパルド宮殿の地下には、アンダルシア地方でも特に重要なムーア人の遺構とされるアラブ式浴場があります。

ルネサンス期には、壮大なカテドラルが建設されました。建設は1532年に始まり、18世紀に完成したこのカテドラルは、この街のシンボルの一つとなっています。ハエンには他にも、歴史的な建造物や文化遺産が数多く存在し、訪れる人々を魅了しています。

ハエンは、地元の言葉で「液体の黄金」と呼ばれるオリーブオイルの主要な生産地であり、毎年オリーブエクスポが開催されます。ハエン大学にはオリーブ研究機関があり、この分野における研究と技術革新に貢献しています。大学の存在は、ハエンがオリーブオイル産業の中心地としての地位を確固たるものにしています。

スポーツにおいては、ハエンにはサッカークラブのレアル・ハエンがあり、本拠地であるヌエボ・エスタディオ・デ・ラ・ビクトリアで試合が行われます。ハエンは、文化、歴史、そして自然が調和した魅力的な都市であり、その独特な魅力は訪れる人々を惹きつけています。

ハエン出身の著名人としては、自転車競技選手のマヌエル・ベルトランやハビエル・モレノ、サッカー選手のマヌエル・デル・モラルなどがいます。また、ハエンでは国際ピアノコンクール・ハエン賞が開催されています。

ハエンは、豊かな歴史、文化、そしてオリーブオイルの生産地としての重要性を兼ね備えた都市であり、訪れる人々に深い印象を与える場所です。

参考文献

谷克二、邸景一ほか『旅名人ブックス65 アンダルシア』日経BP企画、2004年

外部リンク

公式ウェブサイト （スペイン語）

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