アブハー

アブハーは、サウジアラビア南西部、アスィール州の州都であり、人口は約45万人です。アスィール地方の中心都市として、標高2000mを超える高原に位置しています。

概要

アブハーは標高約2200メートルの高地に位置しており、冬季には最低気温がマイナスになることもあります。しかし、夏の暑さは比較的穏やかで、サウジアラビアを代表する避暑地として知られています。サウジアラビア国内だけでなく、中東各地からも避暑客が訪れる人気の観光地です。また、降雨にも恵まれているため、農業も盛んに行われています。

アブハーの西側にはアブハー・ダムとそれに伴うダム湖があり、市民の生活を支えるとともに、美しい景観を作り出しています。教育機関としては、1998年にキング・サウード大学とイマーム・ムハンマド・ビン・サウード・イスラーム大学が合併してできた国立大学、キング・ハーリド大学の一部の学部が置かれています。

イエメン内戦の影響

近年、アブハーはイエメン内戦の余波を受けています。特にアブハー空港は、イエメンの反政府武装組織であるフーシ派による攻撃の標的となることが度々あります。2019年6月には、フーシ派が弾道ミサイルによる攻撃を複数回実行し、6月12日には26人、6月23日には21人、7月2日には9人の負傷者が出ました。さらに、2021年2月10日には民間航空機が無人機による攻撃を受け、爆発によって機体に穴が開くという事態が発生しました。これらの攻撃は、アブハーの安全を脅かすとともに、地域全体の不安定化を招いています。

気候

アブハーは高地にあるため、年間を通して比較的過ごしやすい気候です。夏季は気温が穏やかで、湿度も低いため、避暑地として最適です。冬季は気温が下がり、時には氷点下になることもありますが、降雪は稀です。降雨は年間を通して比較的安定しており、農業に適した環境となっています。

交通

アブハーにはアブハー空港があり、サウジアラビア国内の主要都市や近隣諸国との間を結ぶ航空路線が運行されています。空港は市内中心部から比較的近く、アクセスも便利です。市内交通は、タクシーやバスなどが利用できます。

アブハーは、美しい自然と過ごしやすい気候に恵まれた都市ですが、近年はイエメン内戦の影響も受けています。平和な状態が戻り、観光地としての魅力が再び注目されることが期待されています。

もう一度検索