アブラハム・ブルーマールト

アブラハム・ブルーマールト（Abraham Bloemaert, 1566年 - 1651年1月27日）は、オランダの画家であり、油彩画だけでなく版画作品も制作しました。歴史画や風景画を得意とし、その作品は多岐にわたります。

生涯

ブルーマールトは、1566年にホルクムで生まれました。彼の父親であるコルネリス・ブルーマールト（Cornelis Bloemaert I）は、1575年に家族を連れてユトレヒトに移り住みました。そこで、アブラハムはヘリット・スプリンター（Gerrit Splinter, フランス・フロリスの弟子）のもとで絵画を学び始めました。15歳から16歳にかけての3年間はパリで過ごし、フォンテーヌブロー派の影響を受けました。パリでは、ヒエロニムス・フランケンなどからも絵画を学んでいます。1583年にユトレヒトに戻ったものの、間もなくユグノー戦争が勃発し、フォンテーヌブロー宮殿に所蔵されていた多くの作品が破壊されてしまうという悲劇を経験しました。1591年には、父親がアムステルダムで職を得たため、アブラハムもアムステルダムに移りましたが、2年後に父親が亡くなったため、ユトレヒトに戻り工房を構えることとなりました。1611年には、パウルス・モレールスと共にユトレヒトの画家組合を設立しました。信心深いカトリック教徒であったブルーマールトは、カトリック教会から多くの依頼を受け、作品を制作しました。ユトレヒトで亡くなったブルーマールトですが、彼の4人の息子（ヘンドリック、フレデリック、コルネリス、アドリアーン）もまた、画家として活躍しました。

様式

ブルーマールトが修行時代を過ごした16世紀後半のフォンテーヌブローでは、マニエリスム様式の絵画が全盛期を迎えていました。そのため、ブルーマールトの初期作品には、優美で官能的な造形が特徴的なマニエリスムの作風が見られます。この時期には、聖書を主題とした作品が多く見られました（例:《聖ヨハネの宣教》アムステルダム国立美術館）。しかし、後年になると、より彫塑的な造形に意識を向け、明暗法の効果を重視するようになります。この変化には、カラヴァッジョの影響が強く見られます。また、画題に関しても、牧歌的な主題（例:《小さな羊飼い女》カールスルーエ美術館、《農民のいる風景》ベルリン国立美術館）や、ギリシャ神話の物語（例:《ネプトゥヌスの勝利》ストックホルム国立美術館）などを選ぶようになりました。ブルーマールトの作風は、時代とともに変化し、多様な主題に取り組んだことがわかります。

ブルーマールトの弟子とされた画家

ブルーマールトは多くの画家を育成し、彼の工房からは多くの才能ある画家が輩出しました。

ギャラリー

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参照

外部リンク
Abraham Bloemaert by Rijksmuseum

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