アプサラス (ガンダムシリーズ)

アプサラスの概要

アプサラス（Apsaras）は、1996年から1999年に放送されたOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場する架空の武器であり、ジオン公国軍に属する有人操作の大型機動兵器であります。この機体は、ジオンの技術少将であるギニアス・サハリンが開発を主導し、彼の妹であるアイナ・サハリンがテスト・パイロットとして活動することが特徴です。アプサラスは、巨大なサイズにもかかわらず重力下で浮遊する能力を持ち、その中央には強力な「メガ粒子砲」が搭載され、上部にはザクIIの頭部が装備されています。OVAでは、異なる仕様のアプサラスI、II、IIIの3種類が登場しますが、コミカライズ版では事前に制作された試作機のアプサラス0も見ることができます。

アプサラス計画の背景

一年戦争の後期にあたる時期、アプサラス計画はジオン公国が開発した陸上からの攻撃を目的としたモビルアーマーです。この計画は、ジオン公国に不利な状況を打破するために設計されたものであり、敵の防空圏外である成層圏まで上昇した後、メガ粒子砲を用いてジャブローの上空から奇襲を行うというものでした。計画自体は壮大でありながら、ジャブローの対空迎撃能力の不足を突く狙いがあり、一定の実用性を備えていると認識されていました。これを受けて、デギン・ザビによる予算および人員の承認が得られ、開発が進められました。

各機体の特徴

アプサラスシリーズは、アプサラスIから始まり、次いでアプサラスII、そして完成型のアプサラスIIIが開発されました。アプサラスIは主にミノフスキー・クラフトの実験的な役割を果たし、当初は武装がありませんでした。具体的には、赤いカバーで覆われたメガ粒子砲スペースを持ち、機体自身は戦闘目的ではなく、通常は浮遊しながら移動します。一方、アプサラスIIはメガ粒子砲を装備した初のモデルであり、テスト飛行中に罠にかかり、自爆処分される運命を辿ります。

完成型のアプサラスIIIは、さらに多くのジェネレーターを搭載し、安定したミノフスキー・クラフトの運用が可能でした。この機体は後に戦局が悪化し、開発も遅れた結果、正式な量産はされませんでしたが、連邦軍に対する防衛戦闘では大きな打撃を与えました。これらの機体が連邦軍に与えた影響は大きく、戦局を左右すると言われています。

劇中での活躍

アプサラスIは第4話に登場し、護衛のドップと共に試験飛行を行いますが、第08MS小隊との戦闘に巻き込まれます。アイナによるミノフスキー・クラフトの衝撃波攻撃で一時は優位になりますが、陸戦型ガンダムに損傷を受けます。アプサラスIIは第6話で再登場し、罠におちて連邦軍の攻撃により雪山に墜落、最後は自爆処理されます。

アプサラスIIIはギニアスが搭乗して防衛任務に就きますが、連邦軍から激しい攻撃を受け、最終的には撃墜されます。特に戦局が悪化したなかでも、その驚異的な火力を利用した戦闘は、連邦軍のシミュレーションによっても重要視されていました。

アプサラス0の存在

更に、アプサラス0はコミカライズ版に登場し、データ収集を目的に開発された機体です。この試作機は通常の戦闘機としての能力ではなく、大気圏重力下での試験に特化しており、連邦軍との交戦による大破を経験するなど、不運な展開を示しています。

最後に

アプサラスシリーズは、ガンダムシリーズにおいてもその独特なデザインや革新的な技術を持つ機体として知られています。特に、戦局を動かす力を持っていたことから、多くのファンの間で語り継がれる存在となっています。

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